ユゴーも絶賛したビアリッツ。
ビアリッツはフランス南西部、ピレネー=アトランティック県にあり、大西洋に面した小さな町。古代からバスク人が住み、捕鯨を生業とする漁村であった。18世紀ころから保養のための海水浴場として人々が訪れ始め、現在も多くのタラソテラピー施設をかかえる。ビーチリゾートとしての発展は、1854年にナポレオン3世が皇后ウジェニーのために別荘(現在のオテル・ド・パレ)を建てたことから始まった。彼女と親交の深かったヨーロッパ各国の王侯貴族たちがこぞって集うようになり、現在も街のあちこちに豪奢(ごうしゃ)な建造物を残している。ヴィクトル・ユゴーは「私はビアリッツより魅力的でより素晴らしい場所をおよそ知らない」と絶賛し、最近特に注目を集めているバスク料理もここが本場。また、映画『緑の光線』(1986)、『素敵な恋の見つけ方』(2006)などの数々の映画のロケ地としても名高い。美しい海を眺めながらくつろげるカフェやレストランが点在し、映画のワンシーンが思い出される。
ゴミ捨てんなよ…。
サーフィンをしていていちばん気になるのが、ペットボトルやプラスチックバッグなどの海のゴミ問題は、私たちが想像する以上に深刻。最も危険なのは何年も海にもまれて微粒化したプラスチック。小さくなると目立たないので、問題視されにくい上に、鳥や魚が誤食する可能性が高くなる。石油から作られたプラスチックは生分解性がないので、自然に還ることなくいつまでも環境中に存在し続ける。セーヌ川にポイ捨てした吸い殻はやがて海へと流れ着く。
美しい海が存在できるかどうかは、われわれ一人一人の心がけにかかっている。