水泳指導員になるにはスポーツ、そして救助に対する情熱が必要だ。
プール所長のパスカルさん
このプールの水泳指導員採用試験の際は、私が中心となって決めることになっています。ブノワとマキシムを採用させてもらったのは、どちらにも、スポーツ、そして救助に対する情熱が見てとれたからです。今の仕事ぶりを見ていても、彼らの、同僚など対人関係の姿勢も好感が持てます。水泳指導員にとって、これが実はとても重要なこと。うまく心が合っていないといざという時にチームワークが乱れてしまうでしょ。
プール管理人
毎朝、水泳指導員が来る前に水の検査をすることになっています。年に2回総入れ替えされる水は、毎日フィルターを通して浄水されプールに戻るのです。ここのプールの特徴は、水はフィルターを通すと同時にオゾン殺菌されているので、塩素の量が少ないことです。水以外でもプールに何か技術的問題があった場合は、水泳指導員と連携で作業にあたります。
同僚エロディーさん
私が小さいころは、女性の水泳指導員はゼロでしたが、最近は増えてきました。女性では肉体的におぼつかない部分を、彼ら男性指導員が補ってくれるから助かります。私はもともと水泳の選手ですが、同じクラブにいた選手も、今はここで働いています。
水泳指導員に必要なディプロムBEESAN。
救急法のディプロムにはAFCPSAMとCFAPSEがあるが、これだけでは水泳指導員maître nageurにはなれない。BEESANと呼ばれるディプロムを取得しなければならない。このディプロムがあれば、水に関わる活動すべてに就くことができる。このプールでは毎週木曜日に、BEESAN受験者のためのトレーニングを行っている。
この試験は中学校教師になる人も必要な場合があり、また赤十字などで働く場合も管轄によって必修という。受験者は必ずしも水泳が得意な人ばかりではないそうだ。その試験内容の一部を教えてもらった。800m連続で泳ぎきる/息をしないで15mを4回泳ぎきる/人形を抱えたまま25mを泳ぎきる/35秒間息を止める/シュノーケルを付けて100mを4回…などなど。もちろん筆記試験もある。次回の試験は5月だそうだ。