地下鉄オデオン駅で下りて、サンジェルマン大通りから入る小路に入ったら、小さなレストランが立ち並び、お店の前には客引きの人たち。客をつかむための技も千差万別だが、一番信頼を得られるのは、やはり笑顔。ということで気さくな笑顔の女性に引かれて入った小さな店でお昼ごはんです。友人は、表の看板にも、メニューにも書かれていない9ユーロのコースを、何のためらいもなく頼んでいる。まさかと思ったが、「ありますよ」という答え。聞いてはみるものだ、ということで、友人は、前菜に田舎風テリーヌ、メインにタラ科の魚、ポラックのクリームソース添えを頼んだ。私は12ユーロのコースで、前菜にサケのテリーヌ。そして定番のステーキ、ロックフォールソース添えを注文。そしてワインは1/2ピシェの赤(10ユーロ)に決めた。
前菜の田舎風テリーヌは、レバーの分量もほどほどで柔らかな味。私が取ったサケの方はあくまで淡白で、自家製タルタルソースとの相性がよい。どちらにもサラダがついているのがうれしい。メインはというと、友人の方は、魚の身がふっくらとしていて、クリームソースとのバランスもいい。私のステーキは、よく引き締まった肉質で、噛み締めるほどにおいしい。どちらも定食屋さんとしては充分満足できる味だ。
テーブルからよく見えるキッチンは4m2もない。食洗機もないようで、コックさんは一人で料理を作りながら、手があくとすかさず食器を洗って拭くという仕事をこなしている。その無駄のない動作に目を見張る。私たちはデザートをとらなかったが、周りを見渡せばカスタードプリンをとっている人が多い。それは次回の楽しみにして店を後にした。
〈L’Insulaire 島のレストラン〉というのは、この通りにギリシャレストランが多かった名残りだという。友人が9ユーロのコースを頼んだのは、19ユーロを読み違えていたことが、後で判明しました!(麻)
L'Insulaire
Adresse : 16 rue Grégoire de Tours, 75006 Paris , FranceTEL : 014354.7695
アクセス : M° Odéon
無休。