左右両派熱戦を繰り広げるパリ市議会選。

 3月9日、16日と2回投票が行われる市町議会選挙をひかえ、県会・市議会を兼ねるパリ市議会選に向けて左右両派が敵の陣地の奪還・争奪戦を繰り広げている。
 2001年選挙で左派がパリの20区中12区を制覇し初の社会党市長となったドラノエ氏。左派市政により歩道拡大やバス専用路側帯、環状トラムウェイ、レンタル自転車Vélib’などで街の景観まで変わり70%の市民が満足している。最近の世論調査(Le Figaro 2/12)によると、彼の第1回予想得票率は45%、決選59%と悠々に市長再選は確実。この波に乗れば、昨年大統領選に破れたロワイヤル氏を圧して次期社党書記長、次回大統領選候補への王道も敷かれそう。
 パリ市長の座を狙っているのが民衆運動連合UMP候補のドパナフュ17区区長。シラク、チベリ両元市長の助役を務め、前期国民議会議員だっただけに、人気の高いドラノエ市長に対抗できるのは彼女だけ、と右派は期待するが彼女の第1回予想得票率は30%と頭打ち。
 もう一人、95年にシラク元市長の後を継いだ前パリ市長チベリ5区区長は長年保守派住民に支持され、今も65歳以上の住民の71%は決選で彼に投票するという。が、最近は30~40代の世代が住みつき左派・緑の党派が伸びている。同区長に長年挑戦してきたリーヌ・コエン=ソラル社会党候補の決選予想得票率52%、チベリ候補48%という調査結果(Le Nouvel Observateur 2/7-13)が出ており、30年来チベリ氏の独占地だった5区が社会党の手中に落ちる可能性が濃厚になってきている。
 パリの選挙戦以上に火花を散らしているのはサルコジ大統領の本拠地ヌイイ市だ。彼が昨年まで19年間市長だったフランス一裕福な町ヌイイの新市長候補に、大統領の現スポークスマン、セシリア元大統領夫人の元側近マルチノン氏がUMP筆頭候補として大統領に指名されていた。が、この天下り候補に対しクーデターが勃発。その一人がサルコジ大統領の次男ジャン・サルコジ氏(21)。父親が推すUMP候補に反旗をひるがえし、助役トゥレ氏を推し、事業家フロマンタン氏も含む右派無所属候補リストを突きつけ、マルチノン氏締め出しのお家騒動に大統領もたじたじ。恐いもの知らずのジャン氏は県議会選への出馬を目指す。彼の速攻法、切り口といい、30年前の彼の父親に生き写し。
 当初サルコジ大統領は市町選に国家的意味を与え大上段に構えたが、カーラ夫人との恋愛時期から再婚までの露出癖に国民は嫌気がさしたのか支持率は38%にまで落ちている。公私乱脈ぎみの大統領への制裁投票となりそう。UMP候補の中には大統領の後援を辞退する傾向もあるそうで、彼のジレンマは如何?(君)