ブルーチーズの横綱といえば、フランス南部アヴェロン県で作られているロックフォール。古くはシャルルマーニュ王の好物だったというし、1925年、初のA.O.C.チーズとして認定されたのもロックフォール。
原料は羊乳で、凝乳の過程で、ペニシリウム・ロックフォルティという青カビを混ぜ込んで作られる。そしてロックフォール・シュル・スールゾン村にある石灰岩でできた、年を通じて温度が8〜10度、湿度が約90%と一定している自然の洞窟で3カ月以上かけて熟成される。この洞窟以外で熟成されたものはロックフォールと名乗ることはできない。表面を覆うアルミ箔は、ブルーを空気と光から守るためだ。
羊乳ならではの独特の風味、コクのあるまろやかな口当たり、適度の塩味と 青カビの香り…。〈Société〉や〈Papillon〉などの銘柄の中から自分の口にあったものを選びたい。ワインは、コット・デュ・ローヌや南仏産のしっかりとした味わいの赤を選びたい。(真) 6年前の〈ワインの肴〉特集で紹介して友人たちにも評判がよかったシブレット風味のロックフォールペーストを作ってみよう。ロックフォールチーズ75グラム、そしてロックフォールの味を柔らかくするために半量のフレッシュチーズfromage blanc、そしてハサミで細かく切ったシブレット大サジ1杯を、ミキサーあるいはフォークの背を使って丁寧に混ぜ合わせる。これを密閉できる容器に詰めて冷蔵庫に半日ほど寝かせて全体の味をなじませよう。食べる1時間ほど前に冷蔵庫から出して、軽くトーストした田舎パンなどにたっぷり塗って味わいたい。ビールにもぴったりのおつまみ。