フランスはフェスティバルの国。「美術史フェスティバル」もある。文化省のもと国立美術史研究所とフォンテーヌブロー城が共同開催するもので、第10回目の今年は「喜び Plaisir」をテーマに日本が招待国。
フォンテーヌブロー城内の随所で、縄文、ジャポニズム、日本庭園の歴史、国外へと広がった日本庭園、漫画、社会運動、コンテンポラリーアート、建築、福島原発事故が現代美術に与えた影響まで、様々なアートの領域と時代から、日本の創造性を考察する講演、上映、展示など。
松谷武判、オノデラユキ、黒田アキ、辻仁成などフランスをベースに活躍するアーティストも紹介する。グラン・テスト地域圏の美術館が所蔵する日本の芸術品、フォンテーヌブロー城の収蔵庫に眠っていた、徳川幕府が遣欧使節を通じてナポレオン3世に贈った品々なども紹介され*、知られざる日仏交流史や芸術品に触れられる機会にもなりそうだ。
また、城内サン・サテュルナン礼拝堂内には、建築家・隈研吾による茶室「浮庵」、庭園には田根剛による住宅、庭園の一角にあるgrotte des pinsでは松本俊夫監督の実験映像映写など盛りだくさん。
日本美術だけではなく、西洋美術史、今日のフランスのアートに関するイベントも充実。開会の講演はフランス現代美術を代表するアネット・メサジェが登壇。画家のジェラール・ガルスト、女優ジャンヌ・バリバールらを特別ゲストに迎える。
● Festival de l’histoire de l’art
3日間、200のイベントのプログラム:
www.festivaldelhistoiredelart.fr
● Château de Fontainebleau :
Pl. Charles de Gaulle 77300 Fontainebleau
フェスティバルは無料。屋内イベントは要予約。城は9h30-18h火休。
◎パリからの行き方 : Navigo有効。
6/4:パリ・リヨン駅からR線でFontainebleau/Avon 駅下車、バス1番でChâteau下車。
6/5-6:パリ・リヨン駅からR線でMelun駅下車、バス34番でChâteau下車。
- 「アートと外交〜フォンテーヌブロー城に見る日本の芸術作品 Art et diplomatie. Les œuvres japonaises du Château de Fontainebleau (1862-1864)」 展はフォンテーヌブロー城内で9/20まで。