「ニッポン疑惑」、火のない所に煙は立たぬ?

 クリアストリーム疑惑が尾を引き、シラク大統領の日本の「隠し口座」にまで波及。
 5月10日付カナール・アンシェネ紙が発表したユイ、ポンス両予審判事による調書によると、3月28日、重要参考人ロンド将軍は、「…シラク大統領の東京相和銀行口座に、皇室が関係する世界文化賞の審査員としての経費が定期的に振り込まれ、対外治安総局DGSEによると総額3億フラン(約65億円)とみられる。…(01年9月、大統領とドビルパン元官房長官が)わたしに命じた任務は、大統領の日本の口座を調べていたDGSE諜報員から、大統領に不利になる情報が漏れないように彼らを監視することだった」と供述。大統領府はシラク大統領の日本の口座云々を全面的に否定している。
 東京相和銀行といえば、バブル崩壊時の不正増資疑惑で2000年5月、長田庄一前会長(83)が逮捕された。長田氏はシラク大統領とはパリ市長時代から親しい関係にあり、97年に同大統領からレジオンドヌール勲章4等を受賞(94年ミッテラン大統領は同勲章5等を授与。故大統領夫人主宰の財団への創価学会の寄金に長田氏が仲介したお礼?)。
 5月11日付ルモンド紙も「ニッポン疑惑」に触れており、90年代初期の週刊ポストに「シラク大統領の銀行」というタイトルで「大統領のとみられる口座に70億円…」と無署名の記事が載ったという。が、同紙24日付でポンス駐在員は、「東京の大宅壮一文庫で調べたが、同週刊誌に掲載されたといわれる該当記事は見つからなかった」と報道。
 96年、エリゼ宮を訪れた長田氏がフランスでの10億ドルの投資計画を伝えたので、DGSEが東京相和銀行についての調査を諜報員フラム氏に委託。同行の不正増資疑惑が浮上し始めていた時期だっただけに、同諜報員の捜査は公的調査を越え「個人的イニシアティブ」が勝ちすぎたとして02年、同氏は検事代理のポストに移された。彼が理解できないのは、クリアストリーム疑惑の変造口座リストに彼の名も出ていること。同疑惑と「ニッポン疑惑」はどこまでつながっているのか…。
 カナール・アンシェネ紙によれば、02年大統領選を数カ月後に控え、ドビルパン元官房長官が閣僚の一人に「〈日本〉のことがメディアに載ったら最後」ともらしたとか。大統領側近は気が気でならなかったよう。
 シラク大統領再選後、DGSEの幹部全員が左遷された。彼らとともに「日本疑惑」も封じられたと思いきや、大統領の「口座」のほか日本に「隠し子」もいるとかいないとか、とかく市民、マスコミは口さがない。(君)