chez Lalou– ユダヤ人も〈Paques〉を祝う。そのお祭り料理を味わってみた。

 〈Paques 復活祭〉のバカンスだというのにパリを離れることもできないが、さんさんと陽が照り始めたベルビルに出かけてオリエンタル料理を味わうことにした。ちょうど金曜日、マルシェが立ち、モスクのお祈りから帰る人々でにぎわっている。
 ひと皿が、なかなかどうして、高いなあ…と迷っていたら、サービスの前菜kemiaの小皿たちが出てきた。オリーブ、アーモンド、各種野菜の酢漬け、辛子漬け、ナスの揚げ物…周りを見わたせばみんな、パスティス片手につまんでいる。私たちもそれにならいながら、友人はMssouki(15
)という〈Paques〉のスペシャル料理、私は肉・臓物の炭焼きRoyale(16)、そして、ワインはロゼGris(15.5)を選んだ。その他にクスクスなどの典型的なマグレブ料理も揃っている。
 私の一品は、鶏肉の串焼き、心臓、肝臓、子牛の胸線、腎臓…と勢ぞろいで、まるで日本の焼き鳥、赤提灯といった具合。レモンを搾りかけて頬ばる。Mssoukiは、野菜、豆が豊富に入ったホウレンソウ風味の煮込みに、卵が丸ごと入ったコロッケのような揚げ物が添えられている。卵は復活祭だからかなと思ったが、考えてみたらここのオーナーはユダヤ人のはず。尋ねてみたら、なんと〈Paques〉はもともとはユダヤ人の祭りで、キリストの「復活」とはまったく関係がなく、エジプトで奴隷状態だったユダヤ人が、モーゼによって切り開かれた紅海を渡って自由になったことを祝うためだという。
 さて、勉強ついで、ひっきりなしに通っていったイスラムの信者たちが、みんな小さな絨毯を持っているのはなぜ? モスクが小さくて入り切れなかった場合に、前の通りで祈るための必需品、というわけだ。最後は、やはりさっぱりとミントティー。マルシェは店を畳みはじめ、人種のるつぼ、ベルビルの午後も、始まったばかりだ。(麻)

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