Gratin de chou-fleur a la tartiflette
映画に行ったり、友だちの家に招待されたりして、子供たちに留守番してもらう時、彼らの夕食はどうしよう。サンドイッチやニース風サラダなどを用意すればこと足りるのだが、温かいものを食べてもらいたい、というのが親心。以前はチャーハンなどを作っておいて、電子レンジなどで温め直してもらうことが多かったが、最近は彼らもふつうのオーブンの扱い方にも慣れ、火傷の心配もなくなってきた。そこで朝のうちに用意しておくのが、このタルティフレット風カリフラワーのグラタン。好評です。
4人分として、タマネギ中3、4個を半分に切り分けてから薄く切る。ベーコン200グラムは小さく切り分ける。フライパンに油少々をとり、タマネギとベーコンを加え、中火でタマネギに軽く色がつくまで炒めていく。
ルブロションチーズ半個は薄く切り分けておく。ちょっと匂いがあるようでも、皮付きのままの方が、でき上がりの味に深みがでる。
カリフラワー1玉を小さく切り分ける。柔らかい葉もとっておく。これを大鍋で10分ほど塩ゆでにするのだが、トリガラのスープでゆで上げれば、味はさらによくなる。
オーブン皿にカリフラワーをとり、炒めておいたタマネギ、ベーコンと混ぜ合わせる。カリフラワーをゆでる時に使ったスープも3分目ほどに加えておくと、焼き上がりがしっとりとしておいしいものだ。その上に、ルブロションを重ならないように並べていけば、準備完了。あとは子供たちに、「おなかがすいてきたら、オーブンの目盛りを180度に合わせて点火。10分ほどしたらカリフラワーを入れ、20分ほどで表面に焼き色がついたらでき上がり」というメモを残しておくだけだ。
ちょっと値が張るルブロションのかわりに、エマンタルチーズをおろしたものをたっぷり振りかけてもおいしい。ボクらが食べる時、ワインはトゥーレーヌ地方の軽い赤かな。(真)
カリフラワー1玉、タマネギ中3、4個、ベーコン200g、ルブロション半個あったらトリガラのスープ
●タルティフレット tartiflette
サヴォワ地方の名物料理タルティフレットは、たしか昨年の12月に書いたと思うけれど、ベーコン、玉ネギ、ジャガイモに、同地方のまろやかなチーズ、ルブロションをたっぷりのせてオーブンで焼く一品。わが家では、ジャガイモだけでなく、今回のようにカリフラワーを使ったり、クルジェットやニンジン、時にはトマトを入れたり、あるいはそれらをミックスして、さまざまな〈タルティフレットもどき〉を作ることにしている。どの野菜を使うにせよ、タマネギとチーズを遠慮せずたっぷり使うことが大切だ。
●lard fumé /poitrine fumée
ベーコンはlard fuméあるいはpoitrine fuméeという。スーパーでもパックされて販売されているが、やはりおいしい豚肉を売っている店で買い求めたい。レシピや自分の好み次第で、脂肪の付き具合を見ながら選ぶ。塩味がついているので、調理に使うときは塩加減を控えたい。このベーコンを小さく切り分けたものはlardons。最近は、ベーコンエッグ用あるいはベーコンの包み焼き用に、薄く切られたものも売られるようになってきた。
●カリフラワーのサラダ
彩りも鮮やかなカリフラワーのサラダを作ってみよう。まず大きな赤ピーマン2個を、オーブンの上火あるいはガス火でまんべんまくこんがりと焼いてから皮をむき、細長く切り分ける。卵4個は8分ほどゆでてから、冷水で冷まして殻をむき、二つに切り分ける。カリフラワー1玉は、今回のレシピのごとく、小さく切り分けてから10分ほど塩ゆでにする。冷ましてから大きな皿の真ん中に盛り上げ、赤ピーマンとゆで卵で飾り、ビネグレットソースを添えて食卓に。
●Chou-fleur|カリフラワーの葉
久しぶりに会った友人に「相変わらず朝市でカリフラワーの葉を拾っているんですか?」と同情されてしまった。以前アリーグル市場に通っていた当時、そこにカリフラワーだけを売っているスタンドがあって、市の後、中国人に混じってカリフラワーのなるべく柔らかそうな葉を拾っていた、と書いたことがあったからだ。捨てられてしまった野菜を拾うことは少しも恥ずかしいことではない。この葉を、厚いところはそぎ切りにしてゴマ油で炒めオイスターソーをからめると実にうまいのだ。1玉では葉の量も大したことはないから、八百屋さんに頼んで葉だけとって置いてもらおう。(真)