ロレーヌ地方の名物といえばキッシュだろう。 Quiche lorraine

 ベーコンや卵がたっぷり入ったパイがキッシュ・ロレーヌで、この号で特集されているナンシーの名物料理。といってもほとんどのフランスの家庭で作られているベーシックな料理だ。ふつうはアントレとして出てくるが、サラダを添えれば立派な食事にもなる。
 まず練り込みパイ生地を作って数時間寝かせておく(右欄参照)。味はやや落ちるが市販の生地でも構わない。友人は卵1個も加えてサブレ風にするが、それもうまい。
 パイ生地を4ミリほどの厚さに伸ばして、バターを塗った直径30センチくらいの型におさめ、フォークの先で底をまんべんなくつっついておく。 
 このへんでオーブンの目盛りを200度に合わせて点火しておく。
 ボールに卵5個をとり、丁寧に割りほぐす。生クリームと牛乳も加えて、泡立て器で丁寧に混ぜ合わせる。ここへさいの目に切っておいたベーコンを加える。好みではハムと半々にしてもいいし、生ハムを入れてもうまい。エマンタルやコンテチーズをおろしたものも混ぜ入れ、ベーコンやチーズの塩味があるので、軽く塩、そしてたっぷりとコショウを挽き入れる。最後にナツメグもおろして加え、パイ皮を敷いておいた型に静かに流し込み、熱くなっているオーブンに。ここで目盛りを180度に落とし、30分くらいのものだ。表面にきれいな焼き色がついたらできあがり。
 わが家では、そのまま食卓に出して切り分け、熱々をふーふーいいながら食べているけれど、少し冷ましてから食べてもうまいものだ。いくつか焼いて上手になったら、サケをほぐして入れたり、ムール貝のむき身を加えたりと変わりキッシュにも挑戦してみたい。
 ワインはロレーヌ地方のグリ(ロゼ)があったりしたら至れり尽くせり。(真) 

練り込みパイ生地、卵5個、生クリーム200cc、牛乳100cc、ベーコン150g、エマンタルかコンテ100~150g、ナツメグ少々、塩、コショウ。


●Pâte brisée
 練り込みパイ生地pâte briséeは、魚介類や野菜のタルトのような塩味にも、果物のタルトのような砂糖味にも使えて用途が広い。
 生地を作る30分前にバター125グラムを冷蔵庫から出し、さいの目に切って室温に置いておく。大きなボールに小麦粉250グラムをとる。真ん中にくぼみを作り、そこへ、小さじ半杯の塩、そして砂糖味のタルト用なら砂糖大さじ2杯を入れ、さらにバターを加える。指先でそのバターを細かくしながら粉と混ぜ合わせていき、そぼろ状になったら、水をカップ半杯弱加えて、素早くこね合わせながら、まとめるような感じで玉にする。水は入れすぎないように、2、3度に分けて入れるといい。しなやかだが柔らかすぎず、指にくっつかない、というのが目安。練りすぎるとでき上がりが固くなる。この玉をラップでくるんで冷蔵庫に最低2時間はねかせておきたい。

●ムール貝のむき身
 ムール貝を白ワイン煮する時は、多めに作ってむき身にして冷蔵庫に保存しておくと、翌日いろんな料理に利用できる。スパゲッティの具はもちろん、ベーコンのかわりにキッシュに入れてもいいし、ポテトと混ぜてサラダにしてもうまい。
 ムール貝(1キロ)をむき身用に蒸し煮する時は、なるべく底広でふたのできるフライパンやソトゥーズを用意したい。白ワインを1カップほどとる。みじんに切ったエシャロット2個とパセリを2本ほど加えて、5分ほど沸騰させたら、ムール貝をなるべく重ならないようにして加える。重なるようなら2度に分けた方がいい。再沸騰したら全体を混ぜ合わせ、ふたをする。貝の7割くらいが開いてきたら、もう一度混ぜ合わせ、またふたをしもう30秒くらいのものだ。煮すぎると身が固くなってしまう。冷めたらむき身にし、漉した煮汁に戻してから冷蔵庫で保存しましょう。
●夏のパーティー料理
 バカンス中に友人たちを招待してパーティーを開こう。テーブルに、彩りも美しい夏らしい料理をいろいろと並べてのビュッフェスタイルがいちばんだ。
 フロマージュ・ブランやアンチョビーをベースにしたソースを添えた生野菜(カリフラワー、ニンジン、セロリ、キュウリ…)、薄く切ってグリルしたナスやクルジェット、ドレッシングで和えたレンズ豆のサラダ、ゆで上げたソラマメ、パセリがたっぷり入ったタブレ、キッシュ・ロレーヌ、乾燥トマトがたっぷり入ったケーク…。(真)