子羊の骨付き背肉côtes(cotelettes)d’agneauをグリルして、彩りもきれいなトマトやクルジェットなどの夏野菜を添える。皿からタイムの香りもただよって、フランス人の友人たちが「ブラボー!」と歓声をあげる一品だ。骨付き背肉は、côtes premièresと呼ばれるなるべく脂身の少ないところを切り分けてもらい、一人当たり二つか三つ買ってくる。
オーブンを200度に合わせて点火し、まず付け合わせの野菜を準備する。タマネギは薄く輪切りにし、オリーブ油で5分ほど炒め、塩、コショウ。クルジェットは、3ミリほどの厚さに輪切り、これを1分間ほどぐらぐらと塩ゆでし、色がきれいに残るように冷水にとってから水気を切っておく。トマトは、やはり3ミリほどの厚さに輪切り。
オーブン皿にタマネギを敷き、トマトとクルジェットを互い違いに重ねながら並べ、塩、コショウ。オリーブ油をひと筋かけてから、熱くなっているオーブンへ。15分くらいで焼き上がる。この間に骨付き背肉を焼くことにする。
フライパンにバター(焼き色をきれいにするため)とオリーブ油を半々にとって中火にかけ、両面に塩、コショウした骨付き背肉を入れ、片面3分くらいずつ焼くのだが、芯がいささかバラ色で半焼けくらいがいちばんおいしい。ひっくり返す時にはフライ返しを使う。フォークで刺してひっくり返したりしたら、せっかくのおいしい肉汁が流れ出してしまう。焼けたら金網にでものせて余分な油を切る。この間に各人の皿を熱々にしておくのが賢明だ。
オーブンから野菜を取り出し、各人の皿に盛り付け、骨付き肉を添える。その上からタイムの新鮮な葉をたっぷりと散らし、フライパンに残った肉汁少々もかける。
ワインはまろやかなボージョレの赤がよさそうだが、好みではきりっと冷やした南仏のロゼも合う。(真)
子羊の骨付き背肉8つ、タマネギ1、2個、トマト中4個、クルジェット1、2本、新鮮なタイムの葉小さじ1杯半、オリーブ油、バター、塩、コショウ