La Tupina– ボルドーまで行った甲斐がある、素晴らしい料理の数々。

 1泊2日の旅は、食事の回数も限られるので、一回の食事への期待度が高くなる。レストラン選びも慎重だ。今回はボルドー。どこへ行こう…。現地でおすすめを聞いたり、資料を開いてあれやこれや話し合った結果、ポルト・ド・ラ・モネ通りへ行くことにした。国鉄の駅から徒歩10分のこの通りには、昔ながらのフランス南西部地方料理を家庭的な雰囲気で食べさせてくれる グジダラキス氏の店 “La Tupina”(バスク語で「鍋」)がある。
 前菜、主菜、デザート込み32
のメニューが魅力だが、平日の昼のみ。我々は、アラカルトでオーダーした。突き出しの生野菜やソーシソンをつまみながら、また相談。前菜にはセップ茸のパセリとニンニク炒め(15€)をとり、皆でつまむとして、メインには店内の大暖炉で炭焼きにする厚さ5センチほどのコット・ド・ブッフ(牛の背肉)(2人前から注文可、55/キロ)。やはり暖炉で、ガチョウの脂で揚げた粗切りポテトがたっぷり添えられる。80年代、絶滅寸前の品種をグジダラキス氏が救ったというビゴール産黒豚もとった。秋ならジビエ、今の季節はトリュフもおすすめ、と店の人。
 さて、お酒。選りすぐりの数々が紫色のインクで丁寧に書かれたリストを渡される。ボルドーの超高級といわれるワインも並ぶが、コート・ド・ブラエ(20
)をすすめてくれ、それに飛びつく。

 「おばあちゃんのデザート盛合せ」で、クレームブリュレやパンペルデュ、揚げ菓子メルヴェイユなど幾種もいっぺんに味わった。品揃えに定評がある香り高いアルマニャックや葉巻もある。

 食後、「今死んでも悔いはないね」と三人の意見が一致した。ごちそうの余韻にひたって電車までの時間、小雨の中を歩いた。(美)


6 rue de la Porte de la Monnaie 33800 Bordeaux

05.5691.5637 無休