●Mensonges et trahisons et plus si affinite… ラファエルは、有名人のゴーストライター。だが率直な娘ミュリエルと出会い、仕事や恋愛における自己欺瞞に耐えられなくなってくる。ジャーナリスト出身のローラン・ティラールは、初監督作で「下品・低能・大げさ」と評判の仏産コメディの汚名を、ちょっとだけ挽回してくれた。普段はアクの強い役者も嫌みがなく、チャーミングでさえある。(瑞)
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●Comme une image アニエス・ジャウイとジャン=ピエール・バクリのコンビによるコメディー。流行作家で自己中心的な父親を持ったばかりにそのコンプレックスから抜けきれない娘が描かれる。娘役のマリルー・ベリーは、女優ジョジアンヌ・バラスコの娘で、将来が期待される。毎度のことだが、細部にわたりよく練られた脚本は、今年のカンヌで賞を獲得している。(海) |
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Gael Garcia Bernal
1978年グアダラハラ生まれ。俳優の両親を持ち、幼いころから演劇に親しむ。14歳でTV、16歳で短編映画デビュー。メキシコ大学の哲学科に登録するがストのため授業がなく、ロンドン行きを決意。演劇学校に留学中であった20歳の時、『Amours Chiennes アモーレス・ペロス』に出演。空回りするさまざまな愛の形をリアリズム調で描いた本作は、世界中で衝撃をもって迎えられる。翌年、女1×男2で伝説の海岸を目指すロードムービー『Y Tu Mama Tambien 天国の口、終わりの楽園』に主演。青春時代の終わりがノスタルジックに描かれた、ほろ苦くも美しい秀作だった。続く『Le Crime du pere アロマ神父の罪』では、禁じられた恋に惑う神父を演じる。今年のカンヌ映画祭では、冒頭の2作品が公式出品作に選ばれ、今や最も注目の役者の一人に。 無邪気な子供のような笑顔の裏には、「メキシコにいれば政治的意識に目覚めずにはいられない」と語り、オスカー授賞式ではイラク戦争を批判する厳しい素顔も。(瑞) |
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