Steve Lacy — ソプラノサックスを吹き続けた一生。

 シドニー・ベシェ以来、あまり吹く人のいなかったソプラノ・サックスを、50年代初め以来、一途に吹き続けてきたスティーヴ・レーシーが、6月4日ボストンで亡くなった。69歳。
 1953年、セシル・テイラーと出会ってニュージャズに開眼。セロニアス・モンクと共演しながら、独特の叫びやタイミングを使ったスタイルを築いた。「音楽は抽象的なものでなく、誰か、あるいは何かと関係を持たなければならない」と語っている。
 60年代末期に渡欧、コペンハーゲン、ローマ、そして最終的にパリに住みついた。「米国よりヨーロッパの方が、ジャズミュージシャンが正当に評価されて大切にされている」。ベースのケント・カーターやドラムスのオリヴァー・ジョンソンなどを核としたグループは、パリのジャズシーンで輝き続けた。ドイツやオランダのミュージシャンたちとさまざまなフェスティバルで共演。富樫雅彦、佐藤允彦、吉沢元治といった日本のミュージシャンたちとも忘れられない名盤を残している。(真)