モッツァレラチーズやハム入りのクラフティ。 Clafoutis de mozzarella

 クラフティというとサクランボやナシを入れたデザートがふつうだが、同じ生地を使い、モッツァレラチーズや生ハムなどを入れて焼けば、素敵な前菜になってしまう。テレビの料理教室で覚えた一品です。
 まずクラフティの生地作り。大きなボールに、ふるいにかけた小麦粉125グラムをとる。真ん中をくぼませ、そこへ牛乳50ccと卵4個を入れて泡立て器で混ぜ合わせ、小麦粉を少しずつ混ぜ入れていく。さらに牛乳250ccを加え、ダマができないように丁寧に混ぜ合わせる。ダマができてしまったら、茶こしなどを使ってとりのぞきましょう。
 ここでオーブンの目盛りを200度に合わせて点火しておく。
 厚めに切ってもらったふつうのハム1枚はさいの目に切る。薄く切ってもらった生ハム2枚はせん切り。モッツァレッラチーズ300gはちょっと大きめのさいの目に切る。小さめの黒オリーブ16個は種をとりのぞく。バジリコの葉少々は細くせん切り。以上をクラフティの生地に混ぜ入れ、塩、コショウ。ナツメグをおろし入れるとさらにいい。
 しっかりとバターを塗り小麦粉を軽くはたいておいた直径20センチ、深さ4センチほどの型に生地を流し入れ、熱くなっているオーブンに入れる。焼き時間は40分ほどだが、早めに焼き色がつくようだったら、オーブンの温度を少し下げるといい。
 焼き上がったら、少々冷ましてから型からはずす。このまま前菜にしてもいいし、ビネグレットソースで和えたミックスサラダをたっぷり付け合わせれば、簡単な食事にもなってしまう。モッツァレラチーズのかわりにヤギ乳チーズ、ハムのかわりに缶詰のツナを入れてもおいしくできる。
 ワインはきりっと冷やしたプロヴァンス産のロゼやロワール産などの軽い赤が合いそうだ。(真)


クラフティの生地:小麦粉125g、卵4個、牛乳300cc

クラフティの中身:モッツァレラチーズ300g、ハム約100g、生ハム2枚、小さい黒オリーブ16個、バジリコ少々、塩、コショウ


●Jambon cuit, jambon cru
 jambon cuit (jambon blanc) は、名前のごとく、豚のもも肉 jambonをブイヨンで煮たり、蒸したりしたもの。火を通す前に、もも肉は塩漬けにされたり、塩分を注入されたりする。布に包んでブイヨンでゆっくりと煮込まれたものは、jambon cuit au torchonと呼ばれる極上品。
 他にもスーパーには、さまざまな名称で値段もピンからキリまで、さまざまなjambon cuitが並んでいる。サンドイッチにそのまま使うときは高めを、オムレツやタルトなど火を通すときは安めをという具合に、予算と相談しながら選ぶしかないけれど、安すぎるものは火を通すと水っぽくなってしまう。豚肉屋さんには、jambon d’Yorkとうたって、骨付きのまま煮上げたものが、ど~んと置いてあることがある。その場でハム専用の包丁で切ってくれる。これにポルト酒風味ソースを添えたりしたら大ごちそう。

●jambon cru
 こちらは名前どおりに生ハム。やはり豚のもも肉が原料で、その表面に塩やコショウ、その他のスパイスをすり込んでから乾燥させる。フランスでは乾燥させるのに適した気候条件を持った各地で作られていてjambons de pays とかjambon de montagneとも呼ばれる。これも品質さまざま、値段さまざまです。フランスの名品は、2、3カ月かけてゆっくり乾燥させるピレネー・アトランティック県のバイヨンヌ産生ハムJambon de Bayonne。薄く切ってそのままでもいいし、バスク風とつくオムレツや煮込み料理にも欠かせない。他県のものでも、きびしい基準に従って作られていればバイヨンヌ産のラベルをつけることができる。アルデンヌ地方やオーヴェルニュ地方、さらにアルプスやサヴォワの山地にも素晴らしい生ハムがある。少々燻してあるのもおいしい。
 スーパーには薄切りにされたものがパックになって並んでいるが、豚肉屋さんで好みの生ハムを選んで、できるだけ薄く切ってもらうのがいちばん。
H e r b e

●basilic

 インド原産の香草で、語源はギリシア語のbasilikosで、「高貴な」とか「王宮の」という意味だとか。レモン、
ジャスミンを思わせる、その高貴な香りは、サラダ、オムレツ、ピストゥーというスープ、トマトソース、パスタなどの地中海料理に欠かせない。
固い茎は使わず葉だけを使います。乾燥すると香りがなくなってしまうので、残ったら、細かく刻んでオリーブ油に漬けておき、油ごと料理に加えるのがおすすめ。
鉢植えも売っているが、明るいところに置いて、きちんと水をやりましょう。(真)