同性愛者同士の結婚を認める、認めない?

 ジロンド県ベーグル市の緑の党ノエル・マメール市長によるホモセクシャル同士の結婚式が6月5日に予定されていることで、同性者の結婚の賛否が政界、世論を二分。同市長による同性同士の挙式は民法違反であるだけでなく、結婚の概念と社会通念を破る政治的挑発行為ととられているよう。
 パクス(PACS:市民連帯協約)が1999年に施行されて以来、同性、異性に関係なくパクスに署名するカップルが増えている。が、ホモセクシャルやレズビアン、支援団体はパクスが与える気休めの市民権には満足せず結婚を男女カップルに限るのは差別と、人権の平等主義をかかげる。しかし現実には、結婚し子どもを持った者が後に同性愛志向を自覚し離婚後、同性とパクスを結ぶケースや、今日半数を占める婚外出産や離婚による母・父子家庭が増えている。これらは複合家庭とともに90年代以降の社会風俗といえる。68年世代が結婚をブルジョワ的習慣として拒絶したのに対し、長い間、日陰者扱いされてきた同性愛者たちは社会的認知を得るために結婚、さらには養親子関係を要求する。今年1月、ホモ嫌いの青年が同性愛男性にガソリンをかけ火傷を負わせた事件は国民に衝撃を与えた。同性愛者たちの要求は、市民のカトリック的意識の根底に横たわっているホモセクシャルへの差別、蔑視への闘いともいえる。
 デンマークをはじめノルウェー、「パートナー」という名目で結婚も養子縁組も認めたスウェーデン、さらにオランダ、ベルギーも同性同士の結婚を認めている。カトリックの根強いアイルランドも93年に同性愛者を処罰対象から外し、同性カップルに同等の社会保障を与えている。スペインのサパテロ新政権も、同性結婚と養子縁組を可能にするため民法改正の方針だ。今年2月、サンフランシスコ市長が男性同士の結婚を挙行して以来、同州最高裁が待ったをかける前に同性の4000組が式を挙げたとか。
 仏政界はマメール市長による挙式に煽られてか、保守政党を尻目に社会党のストロース=カーン元経済相やファビウス元首相、同問題が他人事ではないドラノエ・パリ市長、オランド書記長と、この問題を我勝ちに次期大統領選の持駒にしようと躍起。4人とも同党の次期大統領選候補株なのだ。
 社会風俗の変化にそって民法を改正すべきなのか、平等主義にふまえて新しい構成人口を認知すべきなのか…。(君)


D i c o
homophobie
(女性名詞)

 homoは「同一の、類似の」を意味する接頭辞、phobieは「恐怖症、嫌悪」という意味で、homophobieは「同性愛者嫌悪」のこと。「同性愛者を嫌う人」はhomophobe。
 国内治安法は同性愛者への暴行や殺害を加重情状としているが、侮辱的言動などは処罰対象外で、政府は同性愛者に対するすべての暴力を禁ずる法案を準備中だ。
 異性愛者はhétérosexuelだが、同性愛者はhomosexuelとなる。homoparentalは、両親が女性あるいは男性同士のカップルであることを意味する形容詞。子どもの心理・精神面を案じ、homoparentalを認めない人が多い。なお離婚や別居による母子あるいは父子家庭はmonoparental。(君)