ジュペ裁判と報道の操作。

 ニュースは出来事や事件そのものではなく、それについての情報を集め、加工し、一つの物語として仕上げたうえでの報告です。従って、出来事や事件についての報告、すなわちニュースは、作られる過程で、どの出来事や事件に焦点を合わせ、それについてどのような情報をどこで集め、どう加工するかに関して、数多くの意思決定が介在してきます。そして、その決定いかんで、少なからずニュースの内容が変わってしまうのです。一般にニュースは現実世界を客観的に映し出す鏡のように思われがちですが、ジャーナリストの性別から社会のシステムのイデオロギーや政治的影響力にいたるまで、様々な次元の要因がニュースの制作過程に影響を与えています。社会を反映しているというよりもむしろ積極的に社会を構成していくものであるといえます。
 最近のアラン・ジュペ裁判でも、ニュースがジャーナリストや保守的な政治家によってドラマ化されました。裁判所の決定で被選挙資格を剥奪されたジュペUMP総裁は、メディアを、特にテレビを操作し、一週間の間に世論をねつ造しました。ジャーナリストは出来事を無視し、報道の中立性を忘れました。
 ジャーナリストの主な関心は、ジュペ判決の理由にではなく、「ジュペなしの政界」に向けられていたので、ジュペの戦略をフォローしました。そのジュペの目的は、ハッピーエンドのドラマのヒーローになることでしたから、最後まで自分の政治的未来を決定しようとしました。こうして、ジュペさんはジャーナリストを利用し、世論も利用し、ニュースはそのための舞台になりました。(クロード)