ローストビーフは当然ながら肉の質が決め手。 Rosbif

 大みそかのパーティーに、ローストビーフrosbifを焼き、冷ましてから、できるだけ薄く切ってマヨネーズベースのソースを添えて出したら、友人たちに大好評。でも、まずはフランス風にローストビーフを焼くことにしましょう。
 ローストビーフがおいしいかどうかは、まず材料の肉次第。たまのご馳走と奮発して、ランプrumsteckとか、フィレfiletとかを1キロ、肉屋さんに “pour le rosbif ” と頼んで準備してもらう。
 焼く1時間半前に、肉を冷蔵庫から出しておくことが肝心。15分前には、オーブンを250度(目盛り8)に合わせて点火。
 肉に塩、コショウをまんべんなく振りかけ、網台にのせてオーブンの中段に入れる。下には、肉からしたたり落ちる肉汁を受けられるように、オーブンプレートや耐熱皿を置いておきましょう。
 10分ほどで、肉の表面に色がついたら、温度を200度に落とし、もう20分から25分、肉の中央がバラ色のミディアムに焼き上がるはずだ。焼いている間、下の受け皿にたまった肉汁を、時々肉にかけまわしてやることも大切だ。
 熱々を食べるというときも、オーブンから出したら数分おいておくこと。こうすると、切り分けるときに肉汁があまり流れ出ません。この間にソースを準備。といってもプレートの余分な油を捨て、そのままガスの弱火にのせ、ぐつぐつといったら、プロだったらここでフォン・ド・ヴォーなどを加え入れるのだが、ボクらは水で十分。100ccちょっと加えてうま味を溶け込ませて漉すだけだ。甘みがほしい人は、ポルトー酒などを最初にちょっと加えてもいい。塩、コショウで味をととのえる。
 付け合わせは、バターたっぷりのマッシュポテトが最適。ワインは3、4年前くらいのボルドーの赤かな? 冷くして食べるときのソースは下欄参照。(真)

台所の本
●Yoshie & Mitsuo Miyauchi /

100 recettes de cuisine japonaise

 フランス語で書かれた日本料理のレシピ本はかなりあるけれど、その中でも、この一冊には、フランス人にどうやって作ってもらおうかな、という気配りが感じられる。ボクも日本料理を教えたことがあるけれど、難しいのは、昆布やカツオ節を使ったダシのとり方。この本では、それを初めから諦めて、だしの素を使うようになっている。日本人も多くはそうだから、これで結構でしょう。寿司、刺身、野菜や豆腐料理、魚や肉料理とバラエティーにも富んでいる。写真も、切り方や盛りつけ方の参考になる。今のシーズン、鍋料理が一つもないのがちょっと惜しい。(真)

Grancher社発行 30€

台所のフランス語

●rosbif
 フランス語でローストビーフのこと。語源は、もちろん英語のroast beef。ローストビーフ用に豚の背脂をおいて糸で縛って円柱形にされた肉の塊もrosbifといい、好みの長さに切ってもらって買ってくる。肉屋には、芯玉tranche grasseや内股肉tende de trancheを使ったものと、それよりは高級で焼き上がりが柔らかいフィレfiletやランプrumsteckを使った〈de luxe〉と、2種類あるのがふつう。前者は200度くらいで少し時間をかけて焼き、後者は高めの温度で時間を短めに焼き上げる。

英国風ローストビーフは骨付きのまま大きく焼かれ、ヨークシャープディングが添えられて出てくるが、フランス風ローストビーフは薄く切り分けられ、マッシュポテトが添えられる。ソースは肉の上からかけず、焼き加減が見えるように肉の下に敷くのが正しいとされている。

●冷製ロースビーフのソース

 まずマヨネーズ作り。冷蔵庫から出して室温にしておいて卵の黄身1個をボールにとる。マスタード小さじ1杯と塩二つまみを加えて混ぜ合わせる。ここに、好みの油(落花生油、ヒマワリ油、オリーブ油)を一滴一滴加えて、素早くかき混ぜていく。大さじ5杯分も入れると固くなってくる。そうなったらしめたもの。あとは多めに入れても失敗しない。黄身1個で油250ccまで大丈夫だが、200ccくらいにとどめておくと味がよくなる。

 エシャロット4個をみじんに切って、白ワイン半カップ、白いビネガー小さじ1杯とともに鍋に入れ、ほとんど煮詰めてしまう。ここへ、肉汁をベースに作ったソース(レシピの欄参照)を加え半分になるまで煮詰めて冷ます。マヨネーズにこのソースを、味見しつつ加え、塩、コショウで味を調える。最後に、みじんに切ったシブレットを加えれば文句なしだ。