★★★★Entre 2 Caisses
男性4人組アントル・ドゥ・ケースは、シャンソン・プリュス・ビフリュオレの ようにコミックなステージを楽しませるタイプではないが、シンプルな演奏をバックに、またアカペラで優れた歌をじっくり聞かせる質の高いボーカル・グループ。シャンソン・フランセーズの歴史に大いに貢献したジャン・ヴィラールの作品を中心に、ガストン・クーテ、ベルナール・ディメといった詩人やピエール・ダック、フランシス・ブランシュといった個性派俳優たちの作品にも触れ、またダミア、ゲンズブールからジェラール・ピエロンたちの歌まで取り入れた彼らの選曲は、完璧のひと言に尽きる。 10日/20h30 15€ *Le Zebre de Belleville: 61-63 bd de Belleville 11e 01.4355.5555 ★★★Benjamin Biolay バンジャマン・ヴィオレーは、シャンソン界の長老歌手アンリ・サルヴァドールを蘇らせたあの名盤 『サルヴァドールからの手紙』の中の『こもれびの庭』や『眺めのいい部屋』などを作曲、カレン・アンとともに将来を有望視されている売れっ子シンガーソング・ライターの一人。声に恵まれずフィーリングだけで歌っている感じもするけれど、これが今流行りなのだから仕方ない。デビュー盤『Rose Kennedy』に続く2枚目のアルバム『Negatif』は好評。 6日/20h30 25.30 €*La Cigale:120 bd Rochechouart 18e 01.4700.5759 |
アントル・ドゥ・ケース |
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●Tricky ポーティスヘッド、マッシヴ・アタックに代表される、英国のブリストル市で生まれたサウンドが、すっかり「今」の音として定着してしまった。その中にあっても、トリッキーは、名前どおり、したたかで狡猾で、そして浸食力を持った音楽を噴出させてきた。それでいながら、初期の傑作 “Maxinquaye” を聴き直してみると、いくつかの曲がすっかり耳なじみのポップに変容していることにビックリしてしまう。最近、表面的にはおとなしくなった感はあるが、そこはトリッキー、まだまだ油断はできない。彼のパリ公演が楽しみだ。(真) 26日 29.70€(Fnacなどで前売り中) *Le Zenith: 211 av. Jean-Jaures 19e M。Porte de Pantin |
最新作 “Vulnerable”。 これまでになくリラックスしたアルバム作り。 |
●ブレンデル、ペライア、ポリーニ 現在最高のピアニストを立て続けに聴くことができる。4日は、アルフレッド・ブレンデルが、くり返しくり返し録音してきているモーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトを演奏。10日は、マレイ・ペライアが、闘病中もずっと弾き続けていたというバッハ(最近出したイギリス組曲や協奏曲のアルバムは素晴らしい)のほか、ベートーヴェンやシューベルトを演奏。 いずれも20h 18€~76€ *Theatre du Chatelet : 1 place du Chatelet 1er 01.4028.2840 ●ジャズのソロピアノ ソロピアノはむずかしい。特にバラードでは、テクニック以上に音楽性が問われてしまう。11日は、ビーバップの熱気を演奏し続けるルネ・ウルトルジェ。12日は、詩的なバラードが光るマーク・コプランド。13日は、新しいサウンドの探求を続けるビル・キャロザーズ。14日は、沈黙をみごとに生かしながらドラマを創りだしていくラン・ブレイク。いずれも19h30 9€ *Theatre du Chatelet : 1 place du Chatelet 1er 01.4028.2840 |
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●AYA COLLETTE デイライトコンサート アヤコレットは、日本やフランスの文学作品(金子光晴、ボードレール、プレヴェール…)、映画のシナリオ(ゴダール、リヴェット…)を歌詞としながら、自作のメロディーで歌うピアニスト。近年は “Ghost” のベーシスト守屋拓之と、電子音Sawakoのトリオでの演奏を重ね、「リベレーションミュージックオーケストラ」との呼び声も高い。今回のパリ初ライブは、活動初期からのピアノ弾き語りスタイルで、関耕太郎と共演。 14日/16h開場 7ロ(飲み物つき) *Campus : 12 bis rue Froment 11e 06.9999.4362 /kokekof@libertysurf.fr ●Fete de la musique 6月21日は、毎年恒例の音楽の日。パリの日本文化会館でも、ボーカルの小池さちこが加わっている〈Mah-Jong〉と、アコーデオニストの清水貴博が加わっている〈Le Pacifique Esprit〉が演奏する。 15hから 入場無料 *Maison de la culture du Japon : 101bis quai Branly 15e 01.4437.9500 |
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