笑おう、踊ろう、太鼓をたたこう、恋をしよう。
私たちが楽しくすれば地球も喜ぶ。
洗うと地球を汚しちゃう。
洗剤に関する問題は、多くの洗剤が石油から抽出された界面活性剤を使っていることだ。これら合成洗剤は生物分解されにくい。またリン(phosphate)は「富栄養化」という、プランクトンが異常発生する現象を引き起こし、川や海を汚す最大の原因となっている。無リンとうたっていても、リンの代用にニトロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)などが入っていないか、表示を確かめよう。
驚くことに、富栄養化の原因の半分は家庭排水だという。家の中がきれいになればなるほど外が汚れるという皮肉な結果が生まれている。
植物がベースの洗剤の生物分解は早く、数日のうちに98%分解される。しかし問題は、どの成分、どの商品が安全で、どれが害を及ぼすのかはっきり消費者に伝わりにくい点だ。信頼できるのは〈Ecovert〉、〈Maison Verte〉などから出ている製品。
エコブランドでなくとも、昔から使われているフランスの洗剤には、家庭用洗剤ではSt Marc、石鹸ではSavon de Marseilleなど、環境にやさしく、洗浄力も優れたものがある。洗濯機に放り込む前に、襟や袖など汚れた箇所をマルセイユ石鹸でこすっておくと驚くほど汚れが落ちる。
フランス人は、漂白するためにeau de Javelをふんだんに使うけど、これは真似しないように。汚水を分解するバクテリアを殺してしまう。漂白剤入りの磨き粉にも注意。
おばあちゃんの知恵:
フランスの水は石灰(calcaire)を多く含み、これが洗濯機の故障のもと言われる。Anti-calcaire剤が多くあるけど、これらの代わりにお酢を500cc入れて、洗濯機をまわすと石灰分が溶ける。
おばあちゃんの知恵:
部屋にこもった臭いを消したい時、スプレーの消臭剤を使うより、フランス人が好むpapier d’arménieを使ってみては?
たんざく状の紙を扇のように細かく折りたたんで火をつけるとお香のような香りが広がり空気が浄化される。これも1885年から存在するフランスの伝統商品だ。
おばあちゃんの知恵:
茶色いしみにはタマネギの輪切りを15分乗せておく。錆にはレモン汁が効果的。
花の香りで一日をスタート。
花の香りのエッセンスを取り入れた自然な化粧水がある。乾燥肌にはバラやオレンジのeau florale、ローズマリーは脂性肌用。カモマイルの化粧水はフランスで昔から化粧おとしに使われてきた。朝の洗顔後、パシャパシャ顔にはたいて花の香りを吸い込むと、さわやかな一日のスタート。
シャキッと目覚めたい時は、床にエッセンシャルオイルを3~5滴垂らしてからシャワーを浴びる。湯気とともに香りが風呂場中に広がります。サイプレスやローズマリーの香りは一日の始まりに瞬発力を与えてくれ、マンダリンなど柑橘系の香りは心を明るくしてくれます。寝る前のお風呂にもひと工夫。
クタクタに疲れた夜は、お風呂にリラックスできる香りをそえるエッセンシャルオイル(ローズやラベンダーなど)を入れて、くつろごう。エッセンシャルオイルはとても効きめが強いから、使用量に注意。例えば、ローズ油1滴には花50個分のパワーがつまっているといわれる。お風呂に垂らす目安は3滴程度。また天然塩と海草をベースにしたバスソルトも疲れをとる。私たちに必要なミネラルがたくさん含まれている。歯磨き粉ってほんとに必要なの?
歯磨き粉は歯と口を清潔に保つために必要不可欠なものではない、と多くの歯医者さんの意見は一致している。虫歯を予防し、歯茎を健康に保つには、歯ブラシできめ細かいブラッシングと、指で歯茎をマッサージするのがもっとも効果的らしい。
天然塩を少し、歯ブラシにつけて磨くと、歯茎を強化する働きがある。口をさわやかにしたい時は、ミルラやクラメリア(ratanhia)を含んだ歯磨き粉があるし、蜂の分泌物プロポリスをベースにした自然歯磨き粉もある。これらは自然食料品店で入手可。歯磨き粉には保湿剤ソルビットなどの添加物が含まれていることが多い。子供用のイチゴなどで味付けされた歯磨き粉にも注意しよう。おいしくて飲み込みたくなってしまうから。 おばあちゃんの知恵:
ストレスがたまったな、と感じたら眉間を指でマッサージ。そして大きく息を吐く。これは心と表情を和らげる速効療法。
気持ちのいい部屋。
ペンキにもいろいろある。ペンキを選ぶ時に参考になるのが〈NF Environnement〉、〈Eco Label
Européen〉など政府やEUが認定するエコラベル。これらのラベルはペンキだけでなく、家電製品、マットレス、紙、洗剤などさまざまな分野で適用され、もの選びの信頼できる目安。
Peinture a chaux(石灰製)は部屋の臭いを吸収する効果がある。家のペンキを塗り替える時、自然樹脂製のペンキ、ラッカーも検討してみたい。
– Terra di Siena:15 rue Joseph de Maistre 18e
01.4262.8015
– Habiter Naturel:
22bis av. Jules Ferry
92240 Malakoff.
01.4656.9318
おばあちゃんの知恵:
ペンキを塗ったあと、部屋の中央にタマネギの輪切りとトーストパンをお皿に乗せておくと臭いを吸収してくれる。
“Non merci, j’ai mon panier.”
マルシェなどへ買い物に出かける時は、なるべく買い物かごを持つ癖をつけよう。パリの荒物屋さんにはバスケットが何種類も売られている。それにバスケットは荷物が重たくなっても、安定しているので持ちやすい。プラスチック袋を数個ぶら下げるより、バスケットに収めた方が手が痛くならない。
家庭ゴミの40% は包装によるもの、というデータも出ている。不必要な包装はなるべく省こう。
しかしゴミはどうしても出てしまう。庭がある人は、生ゴミを庭に埋めて処理できる。最も簡単なのは、穴を掘るだけの原始的コンポスト。軽く土をかけておけば、捨てた生ゴミは数週間で栄養豊かな土に変身している。地球にお返しができるわけだ。
でもアパート住まいの都市生活者は、こんな方法は無理だろう。そこで解決法として、生ゴミをミミズに食べてもらうコンポストのキットがある。生ゴミはミミズの体を通って生まれ変わる。好奇心の強い人、ミミズが好きな人は試してみたら?(このキットの販売元:Le Veritable Ver Vert
:
Le Bourg 16460 Valence 05.4539.7491 www.veritver.com)
バカンスは自然に接したい。
フランスは地形、気候など風土の変化に満ちた国だ。フランスの自然を発見する方法の一つとして、WWF*と提携しているバカンス向けの貸家
〈panda-gite〉を借りる手がある。本、望遠鏡などが備わっているだけでなく、自然に親しむためのガイドもついてくれる。*WWF:パンダマークで知られる世界自然保護基金。世界最大の民間自然保護団体。
●エコロジックなバカンスの情報を得るには:
P. Lecuyer《Guide des Vacances Ecologiques》(Ed.du Fraysse)
12euros
– Robin des bois
地球環境・人権保護団体。エコ商品も売っている。
15 rue Ferdinand Duval 4e 01.4804.0936
– Amis de la terre 地球の友
世界58カ国にある国際エコロジー市民団体。日本支部は
シベリアの森林保護も行っている。www.amisdelaterre.org/
– Greenpeace
1971年創立。地球のエコシステム保護のための団体。
www.greenpeace.org/