●モーリス・ブランショ亡くなる 2月20日、『アミダナブ』や『期待 忘却』などの小説、『文学空間』や『来たるべき小説』などの評論で知られるモーリス・ブランショがパリの自宅で亡くなった。95歳。「死」という限界体験と「書くこと」の関係を一貫して思考し続けた。 ●ベルナール・ロワゾー自殺 ガイドブック〈ミシュラン〉で三つ星をもらっているレストラン〈コット・ドール〉のシェフで、フランスの伝統的料理を新しくしたことで知られるベルナール・ロワゾー(52)が、2月24日、猟銃で自殺。昨年秋にフィガロ紙できびしく批判されたり、ガイドブック〈ゴーミヨ〉で19点から17点(20点満点)に格下げされたことが原因という見方もある。 ●シラク大統領アルジェリア訪問 3月2日から三日間、シラク大統領は、アルジェリアを訪問、フランスの大統領としては1962年のアルジェリア独立後初めてのことで、アルジェやオランなどで20万人近いアルジェリア人の歓待を受けたが、厳しく制限されているフランス行きのビザを要求する声が強く上がった。 ●アキテーヌ地方のバカンス客減少? アキテーヌ地方の大西洋岸は、昨年11月に難破したタンカー〈プレスティージ号〉から流出した重油に汚染されたが、清掃作業も順調に進み、バカンスシーズンを待つばかりになっている。ところが、ジロンド県の観光局が予約状況の調査を行ったところでは、ホテルやキャンピング業者の73%が「かなり悪い」、18%が「非常に悪い」と返答。特に、環境問題に敏感なドイツ人を初めとする外国人バカンス客の予約減少が目立っているという。 ●メッカコーラ、ムスリムアップ… 米国のイラク攻撃政策に反感を持つマグレブ系の人たちを中心に、アメリカ製品ボイコットの動きが見え始めている。昨年11月には、「純益の10%をパレスチナ人に」とうたう、コカコーラを模したメッカコーラがフランスで誕生し、順調な売れ行きを見せている。3月4日にはセブンアップを模したムスリムアップ、5日にはアラブコーラも誕生。 ●二人の世界チャンピオン 3月1日、米国のラスベガスでボクシングWBAライトヘビー級世界タイトルマッチが行われ、タイトル保持者のジャン=マルク・モルメック選手(仏)は、挑戦者のアレクサンダー・グロフ選手(ウクライナ)と対戦。終始積極的に攻めたモルメック選手が第7ラウンドでKO勝ちし、3回目の防衛に成功。3月8日には、マルセイユでフランス人同士によるWBAミドルヘビー級世界タイトルマッチが行われた。挑戦者のメディ・シャヌーヌ選手が圧倒的な強さでタイトル保持者のブルーノ・ジラール選手を攻め、やはり第7ラウンドでTKO勝ちして初の世界チャンピオンに。 ●フランス赤字財政でピンチ 3月6日、ベルギーのブリュッセルでのEU閣僚理事会で、フランスのフランシス・メール蔵相は、経済成長率が予想を大幅に下回ったために、2002年度のフランスの財政赤字は国民総生産の3.04%に達し、2003年度も3.40%になる見込みと発表。この比率は、ユーロ安定のためにEUが定めた3%の限度を上回ることになり、欧州委員会はフランスに対する罰金などの処置を検討中。ラファラン内閣は、公費節約で減税政策に変更はないとするが、シラク大統領が大統領選挙前に公約した〈5年間で30%減税〉は、実現がむずかしくなってきたようだ。 |