在仏3年の私にとって

 在仏3年の私にとって、日本食品店や中華、韓国食品店は欠かせない場所の一つです。そんな中でお気に入りはオペラ近辺の韓国食品店です。客層はほとんどが韓国人なんですが、ここでしか買えそうにない韓国の食品なんかがあり、「新発見!」といろんなものを買って試しています。
 最近のこと、私はいつものように30€位持って買い物に行きました。ところが、たくさん買いすぎて40
を超えてしまったのです。「あちゃ! 足りないぞ!」と思って、韓国人のレジのおねえさんに「すいません! お金足りないので買い物減らします!」と詫びたのですが、おねえさんは笑顔で「来週でいいわよ」と満面の笑顔。神経質な私は、「いいんですか? 申し訳ありませんが来週伺います、私の電話番号と住所をお渡しますので」と、たくさん並んでいるお客たちの視線を痛く感じつつお礼を言って帰りました。

 あの時、レジのおねえさんとは口約束を交わしただけで、私がまた来店するとは限らない。それにおねえさんは特別自分から連絡先を聞こうとしたわけでもなく、私の言葉をただ「はいはい」と聞いていただけ。

 帰り道、ふと私は自分の故郷のことを思い出しました。群馬県のかた田舎。昔はよく無人野菜売り場があったらしく、母はよくきゅうりやら茄子などを百円位で買っていました。誰が買いに来たかも本当に払ったかも分らない、まさにそれ! 人と人との信頼のみなわけです。世の中、ましてや海外や都会なんかでは、なかなかこのような信頼関係は生み出せにくく、この場合ならたいてい「金がないなら帰ってくれ!」ってなもんでしょう。しかもお互いが外国人同士、たどたどしいフランス語で話し合ってるわけですから。こんなことを毎回許してたら商売あがったりでしょう。世の中、トンズラする輩もいるかもしれません。 

 翌日、私は忘れぬうちにと、足りなかったお金を封筒に入れ、それだけではなんだか熱くなったソウルが冷めぬので、みかんを一キロ手土産にして持って行った。おねえさんは期待どおりのアクションで喜んでくれた。気を良くしてしまった私は前日同様に、いらないものまで買い込んでしまったのですが‥‥やっぱり義理人情は大事ですね。それからはひんぱんに買いに行くようになり、おねえさんとも顔見知りになりました。本当に「カムサハムニダ」(ミツエ)