キャビアといってもナスのキャビア。 Caviar d’aubergine

 テレビの料理番組は、料理のレパートリーを広げるのに大いに役に立つ。それにちょっとしたコツもマスターできて、調理の仕方も少しずつうまくなっていく。このナスのキャビアはFrance 3の “Bon appétit bien sûr” で覚えたものだ。

 ナスのキャビア、以前はレバノン料理店だけでお目にかかることができる珍しい一品だったが、最近は、フランス人の間にもすっかり定着し、家庭料理にも登場するようになっている。

 こちらの巨大ナスは、種のところがふわふわしていることが多い。これではおいしいキャビアはできない。小さめのナスが見つかったときに作りましょう。へタがまだまだみずみずしく、表面にシミのないものを2、3本買ってくる。

 まずオーブンの目盛りを5(180度)に合わせて点火しておく。

 タマネギ半個は薄く輪切り。トマト中2個も二つに割ってから、やはり薄く輪切り。ナスはヘタをとってから、タテに二つに割る。天板にオリーブ油を薄くぬってから、ナスを、皮の方を下にして並べる。このレシピがユニークなのはこの後の作業だ。そのナスの上に、まずタマネギを、続いてトマトを、少しずつ重ねながらのせてしまうのだ!
 ここで塩、コショウ、タイムの小枝を1本ずつ飾り、オリーブ油をかけ回してから、熱くなっているオーブンに入れる。

 45分くらいでナスに火が通る。テレビでは、取り出したナスを、香りがいいからと焦げた皮ごとミキサーにかけてしまったが、焦げすぎて皮が固くなっていると舌触りが悪くなるので、気をつけたい。ボクは、スプーンでタマネギ、トマトごと中身をかきだしてから、適度に焦げた皮少々を加えて、ピュレ状になるまでミキサーにかけた。ミキサーのない人は、包丁でたたきます。

 最後にオリーブ油を大さじ1杯加えて、練り合わせ、塩、コショウで味を調える。ボクは粉唐辛子も少量加えた。トーストしたパンに塗って食卓に出せば、素敵な前菜だ。(真)


●ナスのハチミツ風味炒め。
 夏のバカンスで作ったら好評だった一品です。まず、水大さじ1杯とシェリー酒ビネガー大さじ1杯にハチミツ(バカンス先では名産のラベンダーハチミツだった!)大さじ1杯を溶いておく。

 ナス2本を二つに割って斜に切っていく。大きいものだったら、四つに割ってからフワフワした種の部分をとりのぞいた方がいい。フライパンにオリーブ油をたっぷりとり、みじんに切ったエシャロット2個とニンニク2片を加える。エシャロットが透き通ってきたら、ナスを加え、中火で炒めていく。塩、コショウ。ナスがしんなりしかけてきたら、用意しておいたハチミツミックスを加えて混ぜ合わせる。ここで強火にし水気を飛ばすように炒め合わせればでき上がりだ。

●シェリー酒ビネガー vinaigre de xérès
 スペイン産銘酒シェリーxeres(jerez)から作られる香り高いビネガー。白ワインビネガー同様、ビネグレットソースはもちろん、魚、子牛肉、豚肉をマリネしたり、ソース・オランデーズに使われたりする。エストラゴンやバジリコなどのハーブで香りをつけるのもおすすめだ。
●ナシ poire
 ウイリアムス、コンフェランス、コミスと形や大きさ、色合いもそれぞれ異なったナシが、八百屋の店頭に並んでいる。ナシは食べごろがむずかしい。ちょうどよく熟すと、こびるような甘みが広がり、口の中でとろけるようだ。熟していないものは、歯ごたえがあるだけでちっともおいしくないし、熟しすぎると、芯から腐りはじめ、香りも甘みもどこかに消えてしまってガッカリするだけ。

 ナシは、ほかの果物と違って、収穫した後で熟していく。シミや打ち傷のない、どちらかというと緑がかったナシを選び、室温に置いて、チーズが食べごろになるのを待つように、食べ時をうかがいましょう。黄色味を帯びてすでに熟しているものだったら、冷蔵庫の野菜ボックスに入れて保存し、2、3日中に食べきりたい。


台所の本

●Bon Appétit Bien Sûr(France 3)

 今回のレシピでもお世話になった番組が一冊の本になった。本の方も、ジョエル・ロビュションが、フランスの有名なシェフを一週間招いて、得意料理を作ってもらうという体裁になっている。有名シェフのレシピというと、尻込みしそうだが、一部を除いては結構作れてしまうので、ご安心。25人のシェフが5品ずつ腕をふるったスープ、前菜、魚・肉料理、デザートの125品、少しずつ覚えて、失敗したら何度も作ってまわりを驚かせたい。

 シェフたちが買い出しに出かけていく八百屋、魚屋、チーズ屋、ワイン屋などが紹介されているのも、いろいろと参考になる。26€。(真)