ピーマンの旅
ピーマンの里、エスペレットへ。
15世紀、コロンブスによってスペインにもたらせたピーマンはその後バスク地方へ北上。大西洋からの雨、湿気、酸性土、などの条件が整うバスク地方のエスペレット村周辺では、今でも綿々とピーマンが作られ、今日ではA.O.C(原産地呼称統制)も与えられているグルメ・ピーマンです。軒に吊らされた干しピーマン、ピーマン加工食品、Tシャツにペンダントに、ピーマン関連モノわんさか。10月第3週末の「ピーマン祭り」は、ピーマンの行進、村の教会での祝別、飲めや、踊れや、の大イベントになる!
「ピーマン祭」のポスターを貼った酒屋。ご主人が胸にかけているのは干したエスペレット・ピーマン。
ピーマン香水“エスペレット” 黒コショウ、丁字、ジャスミン、バニラなどをブレンドした、甘くスパイシーな香り。
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サクランボジャム+雌羊乳のチーズはこの地方では定番。これをピーマン・ゼリー+雌羊乳で。半生のフォアグラの味付けなんかにも使われる。
辛くはないけれど美味!「辛パテ」の名に、即購入したが、辛くなかった。
村の食卓には、この粉ピーマンが置かれ、こしょうのようにひんぱんに使われる。甘くまろやかな赤ピーマンの味とほんのりした辛さ。チョコピーマン メキシコではウン千年も前から「チョコ+ピーマン」は定番らしい。塩味の次に甘味、最後にノドにピーマンのピリッが残る。日本の「チョコ柿の種」を思い出した。バスクはチョコレートの伝播もフランスで一番早かったという。彼氏には、辛子キンチャク袋。
ピーマンの手拭き。
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辛いものを求め、パリから7時間かけて辿り着いた「ピーマンの里」だったが、そこでは現代フランス人の嗜好に合わせてピーマンはすっかり甘口になっていた(地元の人によれば、昔は涙を流しながらピーマンを食べる人たちがいたという)。エスペレットへ出発する前から興奮気味だった舌や食道、胃たちは落胆し、本人も満たされない欲望を抱えて村を後にしたのだった。(美)