西アフリカの国内線に

 数年前、西アフリカの国内線に乗って移動する必要があった。
 ターミナルから飛行機に直接行けるブリッジなど気のきいたものはなく、いったんターミナルビルを出て、飛行機のところまで重い荷物を持って移動した。先進国の払い下げに違いない、見るからに中古の飛行機だった。
 が、車輪の前を通ってビックリした。タイヤのギザギザがなく磨りへってテカテカなのだ。舗装された滑走路などなくタイヤに相当負担がかかるのはわかるが、現地の人たちはそんなのには目もくれず黙々とタラップを登っている。民族衣装を着た女性は大きな風呂敷で赤ちゃんを包み背中におぶり、空いている手には食べ物の入った洗面器を持っている。私も遅れまいと急いでタラップを登った。
 機内はすでに一杯だった。全部自由席だったようで、奥から早いものがちで席をとる。(「奥」といっても飛行機の後ろの真下が開いておりタラップがわりになっているので「前の方から」という意味)
 垢がベットリついている空席に身体を沈めた。が、しばらくすると頭にポタリ、ポタリと水が落ちてきたではないか。よくみると配管のつなぎめからである。席はここしか空いてなくスチュワーデスに文句を言っても取り合ってくれない。仕方なく帽子を被って一刻でも早く目的地に着くことを祈りながらしばし目をつむった。これも体験の一つと思いながら。(アキラ)