●解雇を恨んでの殺人か? 8月11日午前9時ごろ、パリ郊外セルジー・ポントワーズ市にあるケース・デパルニュ銀行支店に、自動小銃とライフルで武装した男が侵入、行員と客を地下に監禁し、1時間後に支店長と行員一人を射殺。午後1時半ごろ人質2人を連れて銀行を出、逃亡用に車を奪おうとしてさらに一人を射殺。翌日早朝友人先で逮捕された犯人のハビブ・メザウイ(27)は、1999年7月に同支店に就職したが2カ月後に解雇されている。 ●クロソフスキー、レオタール死す 8月12日、『わが隣人サド』や『ロベルトは今夜』などで知られる作家のピエール・クロソフスキーさんが、パリの自宅で亡くなった。96歳。今年2月に亡くなった画家のバルテュスさんは実弟。8月25日には、『愛しきは、女 ラ・バランス』などに主演した破滅型の男優、フィリップ・レオタールさんが亡くなった。60歳。晩年には歌手としても活躍し、『Je r迅e que je dors』(’96)は名盤。 ●コルシカ正常化遠のく? 8月17日午前1時ごろ、コルシカ島南部のモナッチア・ドレーネで、コルシカ独立運動リーダーの一人、フランソワ・サントーニさんが暗殺された。友人の結婚式から帰る途中で襲われ、頭部などに13発の銃弾を受けて即死。独立派内部の抗争が原因と見られている。彼が属するグループ〈アルマタ・コルサ〉はただちに復讐を宣言。ジョスパン首相のコルシカ正常化政策の先行きがあやしくなってきた。 ●失業率3カ月連続上昇 失業者が5月(5000人増)、6月(9000人増)に続いて7月も3万9600人増え、失業率は1.9%上昇し8.9%に(211万6700人)。ギグー雇用相は「徴兵制廃止で25歳以下の男性の失業者が増えたことが原因」と弁明するが、来春の大統領選挙で「失業者200万人以下」をうたい文句にしたかったジョスパン首相にはショック。 ●オランピア劇場がヴィヴェンディに シャンソンの殿堂として知られるオランピア劇場は、これまでコカトリックス家の経営だったが、母娘間の抗争が表面化しその前途が気遣われていた。8月27日、同劇場をメディア・音楽産業の大手ヴィヴェンディ・ユニヴァーサル社が買い取ったことが明らかにされた。プログラムがユニヴァーサル専属のミュージシャン中心になるのではという懸念の声も。 ●パリはマイカーよりバス優先へ 夏の休暇中の突貫工事で、リヴォリ通り、セバストポール大通り、オルセー岸など7kmにわたってバス・タクシー・自転車専用レーンが4.5メートルに拡張された。バスの平均時速は10kmから13kmにアップ、時間通りの運行が確保されるようになった。通常の自動車レーンは逆に狭くなって交通渋滞がひどくなったが、「この渋滞は一時的なもの。車よりバスを利用する人が増えて、大気汚染を減らすことができる」と市当局。10月には新たに20kmのバス専用レーンが拡張される。 ●高校の教科書も無料に サントルやオート・ノルマンディーなど3地方をのぞき、義務教育に該当しない高校の教科書は生徒負担になっているが、イル・ド・フランス地方でも本年度より無料配布を目指すことになる。同地方の高校生は約50万人でこの新措置にかかる経費は5億フラン。 ●ユーロ移行便乗値上げ ユーロ移行で混乱がおきないように、 11月1日から来年の1月1日まで必需品の価格が凍結されるが、それを見込んでか、7月、8月は物価の先走り値上げが目立った。ハイパー、スーパーではこの2カ月で平均1%の値上げ。なかでも牛乳とシャンプーは2.1%、ヨーグルトは1.9%…。パン屋は1.2%、ホテルは2%、自動車整備工場は2.1%の値上げ。 |