トロリとしたソースがムール貝によく合う。 Moules poulette

 手ごろな値段で海の香りを味わえるムール貝、さまざまな調理法をおぼえてどんどん食べたいものだ。卵の黄身が入るせいだと思うが、「若ドリ風」と呼ばれる一品を作ってみよう。
 小柄だが味のいいムール・ド・ブショ moules de bouchotを、4人分として1.5キロ買ってくる。殻が欠けているものや開いているものをのぞき、貝と貝をこすりあわせながら流水で洗い、ザルなどにとって水を切っておく。
 エシャロット2個はみじん切り。葉の縮れていないパセリpersil platもみじんに切って大さじ山もり1杯分用意する。
 ココットのような厚鍋や大きなソトゥーズにバター大さじ1杯をとり、中火でしばらくエシャロットを炒める。これが透明になったら白ワイン100ccを注ぎ、3分ほどグツグツッと沸騰させたら強火にし、ムール貝を加えてフタをする。2度ほど上下を大きくかき混ぜよう。4、5分でムール貝が口を開けたら網杓子ですくい出し、深い器にとり、アルミホイルで全体を覆って冷めないようにしておく。
 鍋に残っている煮汁を漉して別鍋にとり、2/3くらいになるまで煮詰める。この煮汁をムール貝の上からかけてパセリを散らせば、ムール貝の代表的な料理「マリニエール」風。今回は「若ドリ」風なので、さらに生クリーム100ccを加える。同時にサフランやカレー粉少量を入れて香りと色をつけてもいい。少々煮詰めたら、弱火にし、卵の黄身1個分を加えて素早く混ぜ合わせる。木のヘラでかき混ぜ、トロリとしてきたら即座に火から下ろす。沸騰させると黄身が凝固してしまうので、細心の注意が必要です。レモン半個分の搾り汁を加え、最後にコショウをたっぷり挽き入れてからムール貝の上からかけまわす。パセリをたっぷり散らして、即座に食卓へ出しましょう。(真)


●若ドリ風ムール貝のバリエーション
左のレシピには野菜が入らないが、ビタミンをとりたい人は、香り高い野菜を入れるといい。たとえば、長ネギの白いところ1本分、セロリ1本(フヌイユ1/4でもいい)、ニンジン半本、マッシュルーム5、6個、以上をさいの目に切る。鍋にバターを大さじ1杯とり、マッシュルームをのぞく野菜を、色をつけないように3分ほど炒める。マッシュルームを加えてもう3分。この野菜をできあがったソースに混ぜ入れ、左のごとく味を調えてから、ムール貝の上からかける。なお、もっとクリーミーにしたいときは、卵の黄身を2個分にします。
●冷まさないための工夫
 肉や魚介がちょうどよく煮えたり、焼き上がったりしたのはいいが、煮汁や、天板に流れ落ちた肉汁をベースにソースを作りたい。その間、肝心の肉や魚介が冷めないようにするには、どうしたらいいだろう。一つは肉のかたまりや魚をアルミホイルでつつむこと。こうすると肉汁も落ち着いて、切り分けるときに流れ出ないものだ。ムール貝のような小さなものは器にとってから、全体をホイルでおおう。熱々が好きな人は、これをさらにごく弱火のオーブンに入れておくといい。ただ火を強くすると、材料が焼きすぎになったりするので注意したい。盛りつけるお皿も温めておけば、ベストです。

これは便利

●網杓子 écumoire
 ムール貝をとり出すときとか、ポーチドエッグなどをすくい上げて水気を切るときなど、網杓子écumoireが便利です。レシピにはprelevez les moules à l’aide d’une écumoireとか égouttez aussitot l’oeuf avec une écumoire などと出ている。écumeは、スープなどの表面に浮いてくるアクを意味し、アクをとることはecumer。écumoireは、アクをとるための道具ということ。ところが網杓子一面にあいている穴がかなり大きく、アクが逃げてしまう。また網杓子自身も大きいので、鍋の隅などに小回りがきかない。というわけでアクとりとしてはあまり役立たない。フランス人のほとんどはスプーンでアクをすくっている。