博物学者、地質学者というよりも砂漠の学者として尊敬されていたテオドール・モノさんが98歳で亡くなった。 1902年ルーアン生まれ。父親はプロテスタントの牧師。5歳の時にパリの植物園を訪れ、植物や石の魅力にとりつかれる。20歳の時にモーリタニアに派遣されて砂漠と出会う。「砂漠が私を餌食のように食らい込んだ」。それから96歳になるまで、ラクダに乗ったり徒歩で砂漠を横断した回数は数知れず、石や植物を採集し続けた。途中井戸が一つもない900キロを横断したこともある。「そんな時は求道的なことは考えられず、カマンベールや冷たいレモネードの夢を見る」。砂漠の住民や自然を無視して走り抜けていくパリ=ダカール・ラリーに大反対だった。 モノ氏は、反核運動にも積極的に参加し、社会からはじき出された人たちのためにも闘い続けてきた。昨年3月のホームレス支援デモにも杖をつきながら参加している。「ホームレス、滞在許可証のない外国人、木、川、砂漠、石は一番大切な友を失った」(Libération紙) (真) |
“Ce ne sont pas les pensées spirituelles qui dominent en ces moments, mais le rêve de camembert ou de citronnade glacée” |