Courgettes en escabeche
クルジェットは、ラタトゥイユなどの南仏料理に欠かせない野菜だが、イタリアでもズッキーニと呼ばれてさまざまな料理に活躍。オリーブ油で揚げてからミントやビネガーの風味を染み込ませるzucchini alla scapeceを作ってみよう。
クルジェットは、芯にまだ種子ができていないようになるべく細めで小さく、表面がツヤツヤと輝いているものを800グラム買ってくる。 さっと洗ってから水気をぬぐい、縦に5ミリほどの厚さに切り分ける。少し大きめなら斜めに切りましょう。皮をむく必要はまったくない。
フライパンなどにオリーブ油を1カップとり、クルジェットを揚げていく。強火だとすぐに焦げつくので中火。軽く色がついてきたら取り出し、クッキングペーパーなどにのせて油を切っておく。
ここで、ニンニク2片を薄く切る。ミントの葉をみじん切りにしたものを大サジ2杯用意する。
バットなどに重ならないようにクルジェットを並べ、塩、コショウ。さらにミントの葉とニンニクを散らし、その上から、ワインビネガーを大サジ3杯ほど振りかけるのだが、シェリー酒が原料で酸味が柔らかいvinaigre de xérèsだったらこれに越したことはない。もしバットが小さいようなら、2段にし、ミント、ニンニク、ビネガーも2 度に分けて振りかけます。
このまますぐに食べてもいいのだけれど、2時間ほど置いておくと、オリーブ油の風味とビネガーがすっかりなじんで、さっぱりと香ばしい一品になる。ミントの香りも爽やか! ニンニクをのぞいて食卓へ。このままをワインの肴にしてもいいけれど、子羊のロースをタイムやローズマリーの風味をきかせて焼き、その付け合わせにすると素晴らしい。
ワインはキリッと冷やしたロゼはどうだろう。(実)
●courgette
温室栽培などで1年中手に入るようになったクルジェット。持ちがいいだけでなく、どんな料理にも活用できる万能野菜です。種がないようになるべく細めのものを選びたい。ラタトゥイユのような煮込みだけでなく、輪切りやせん切りにして炒めれば、子牛、子羊、魚料理にぴったりの付け合わせ。さっと塩ゆでにしてからベシャメルソースをかけて焼いたグラタンもいい。大きめのクルジェットなら、二つ割りにしてから種子の部分をスプーンでえぐり、好みの味付けをした挽き肉を詰めてオーブンへ。和風だったら絶対にテンプラ! 中華風だったら、ショウガやネギの風味をきかせてゴマ油で炒め、砂糖少々と醤油をからめる。
●aubergines en escabeche
クルジェットと同じようにナスもおいしい。またクルジェットと交互に並べると彩りもきれいだし味の違いを楽しめる。ナスは四つに割ってから中央のフニャとした部分をとりのぞき、中指大に切り分ける。これを30分ほど軽い塩水に漬けてアク抜きする。布巾などで水気をよく吸いとってから、クルジェット同様、オリーブ油で揚げる。軽く色がついてきたらでき上がり。
●ニンニクのピューレ
ニンニクを一株 (une tête) バラバラにして皮をむく。二つに割って芯にある芽をのぞく。これを2分ほどたっぷりの熱湯で下煮して取り出す。今度は20分ほど塩ゆでしてから裏ごしにかける。すっかり柔らかくなっているからあっという間です。これをお椀にでもとり、オリーブ油大サジ2 杯を加えてよく混ぜ合わせ、塩、コショウででき上がり。下煮してあるので、ニンニク特有の香りも柔らかく、ニンニクが苦手の人でも大丈夫。子羊の肉を焼いたときなどに、添えて出しましょう。冷蔵庫で1週間は持つから、トマトソースに加えたり、スパゲッティに混ぜ入れたりすると「うまい!」
●Bon appétit, bien sûr
France 3の料理番組は、マイテおばさんのあとをロビュションさんが継いだ。毎週ちがったシェフを招いて、二人で腕を振るう。ヌーヴェル・キュイジーヌ風もあるが、それほどむずかしくない。25 分かけて一品だから、説明もゆっくりとわかりやすいしカメラアングルも的確。また、最後に要点をリプレイするなど、これまでのフランスの料理番組にはなかった親切さ。前回のレシピ「アルティショーのバリグール」も、この番組を見たあとで再現したものだ。「最初に入れるコショウやニンニクは味をふくませるため、最後のは、味を引き立てるため」とか「バジリコは絶対に熱を加えてはいけない!」などとコツを披露してくれる。