15年前は、テレックスで新譜情報を送っていたものだった・・・
<96年に始めようと思った当時は、自分がコンピューターに原稿を入力し、インターネットで音楽情報を、それも日本語でフランスから世界に向けて発信するなんて想像できなかった>と、今年45歳になる対馬氏は、ひと昔前を回想する。96年に始めようと思った時も、日本語で情報が掲載できることに驚いたという。YTTとういう、フランス音楽のCDを日本に輸出する会社を経営するかたわら、音楽雑誌などに長年、向風三郎というペンネームでコラムを連載していた。
<フランスの音楽を扱ってくれる日本の活字メディアは少ないし、また媒体に合わせた書き方をしなくてはならない。インターネットには制限がない。長さも、書くスタイルも。そして、読者も。> そんな自由な、リミットのないインターネットの世界にひきこまれて4年がたつ。<自分には構想はあったが、技術的な協力がなかったら、何も始められなかった。全体のイメージを作りあげてくれたMediatelier代表の長沼氏や、現在html言語、ビジュアル、音の処理を担当してくれている田畑さんの助けなしには、今のページは存在しない。>
O’french music club–とうい斜めにすっとのびる爽やかな青緑色のタイトルからは、歌声が聞こえてくるようだ。現在10あるコラム(リュブリック)の中の、新譜情報、売り上げチャート、ニュースなどは毎月更新される。リンク、フォーラム、資料室など、至れり尽せりの親切な情報源。4月からは新たな情報コーナーが設けられる。ポップ フランセーズの30年 –歌は世につれ、という年代記。当時流行っていた歌と社会背景が解説されている、とても貴重な資料だ。<最新情報を提供すると同時に、いつもレファレンスとして利用される百科全集的なサイトにしたい>という願いが、着々と実現されている。既に、レコード業界のプロには知られた存在。アクセス件数も4万6千件と徐々に増えている。<やはり読者からの励ましのe-mailや、紹介した音楽が日本で人気がでるのが嬉しい。今日のフランスのアーティストのことを知りたいと思ったら、このページを見ればよい。>というよになりたい、と言う。入手方法に困っている人のために、インターネットで直接CDの購入ができるブティックコーナーもあるが、払い込み形式を使用し、まだカード決算はできない。e-commerceはお店を始めるのと同じようなもの。店内の装飾から、商品の品揃え、清算方法などすべてをきちんと整えなければならない。まだその準備には時間とお金がかかる。全情報を自分一人で執筆。<好きでやっていることって、稼げないものだね。> でもこのサイトは対馬氏にとって、人生の集大成のページ、のようだ。
http://www.mediatelier.fr/ytt/vf
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