サケが釣れたらタルトを作ってみよう。

Tarte au saumon

 表紙のごとくパリのセーヌ川でサケが釣れたら、相性のいいホウレン草と組み合わせてさっそくタルトを作ってみよう。釣れなかったら魚屋のサケで我慢することにして、切り身を4人分として500グラム買ってくる。安くあげたいという人はサケ缶を利用してもいい。
 まずタルトの生地pâte briséeを準備する。バター125グラムを小さく切り分けて室温の状態で柔らかくしておく。ボールに小麦粉を250グラムとり、塩小サジ半杯とバターを加え、指先で混ぜ合わせていく。そぼろ状になったらコップ半杯弱の水を加え、大きな団子にまとめて冷蔵庫で数時間寝かせる。もちろんこの作業が面倒な人は、市販されている生地を使えば簡単だ。
 ていねいに洗ったホウレン草800グラムをたっぷりの熱湯で8~10分ほど塩ゆでにしたらザルにとり、緑色がきれいに残るように流し水をかけながら冷ます。水気をよく絞ってから小さく切り分け、みじん切りのエシャロット2個といっしょに多めのバターで炒め、塩、コショウ。サケは皮と骨を除いてから大きめのサイの目に切り、やはりバターで炒め、塩、コショウ。生クリーム大サジ5 杯と卵2個を混ぜ合わせ、軽く塩、コショウし、ナツメグ少々を加えたミゲーヌと呼ばれるミックスも用意しておこう。 
 オーブンを目盛り6 (200度) に合わせて点火。タルト生地を3ミリほどの厚さに伸ばしてバターを塗った型におさめ、フォークの先で底をまんべんなくつっつく。ここへまずサケを平均に並べ、ホウレン草で覆い、上からミゲーヌを流し込み、熱くなっているオーブンへ。30分ほどで、タルトの表面に美しい焼き色がついたらでき上がり。
 友人を招いてご馳走という日なら、素敵なアントレにするのもいいし、サラダを添えれば豪華な軽食。ワインはブルゴーニュやボルドー産などのあまり辛口でない白を選びたい。(実)

 ホウレン草料理さまざま

ビタミンやミネラル分に富んだホウレン草は年中手に入るが、本来は3月から5月にかけてがシーズンで、葉が柔らかい。手軽にできるホウレン草料理をいくつか紹介してみよう。市販されている冷凍のホウレン草もなかなかうまい。時間がないときは大いに利用したい。
●épinards à la crême

右のように塩ゆでしてからバター炒めして、塩、コショウで味付けしたホウレン草は、魚やトリ料理、卵料理、あるいは子牛のローストなどの肉料理の素敵な付け合わせになる。味が引き立つように、おろしたナツメグを少し加えるといい。わが家では、塩ゆでしてからしっかり水気を切り、ミキサーにかけてピュレ状の一歩手前にしてから生クリーム適量を混ぜ入れ、弱火でしばらく煮てから味を調えたものに人気がある。

●gratin d’épinards
やはりバター炒めして、塩、コショウしたホウレン草を、バターを塗って置いたオーブン皿に敷く。ベシャメルにおろしたグリュイエールチーズを混ぜ入れ、軽く塩、コショウしたソース・モルネーをホウレン草の上からたっぷりとかけ、強火のオーブンできれいな焼き色がつくまで焼けばでき上がり。

●salade à la florentine
若緑色の柔らかなホウレン草が見つかったら、生のままをサラダにしたい。ホウレン草が一役を演じる料理は、なぜかフィレンツェ風à la florentineと呼ばれる。よく洗って水気を切ったらせん切りにする。これと新ジャガを茹でて輪切りにしたものやアドックhaddockという燻製魚をさっと茹でてから細く切ったものと混ぜ合わせる。固ゆで卵の黄身だけを散らしてもいい。どれも春先らしい彩りの美しいサラダです。ソースはシンプルなビネグレットソースがいちばんだ。