![]() 「潮の匂いを吸い込み、私はすっかりこの地方の魅力にとらわれてしまった。柔和な光、憂愁をたたえた空気、私を迎えてくれた数え切れない鳥たち…」という鉛筆書きの文章を読んだだけで、ブルターニュを一度でも訪れた人は、ああ、あの光、あの空気、と心がドキドキする。 ![]() 昨年12月「エリカ」号が難破し、その重油汚染で10万羽以上の野鳥が命を落としたが、こうした自然をかえりみない利益優先の論理に抵抗するためにも、この著者のように、自然を尊重しながら根気よく観察する姿勢が今まで以上に必要とされているようだ。(真) *Gallimard社発行 88F |
