アンディーヴはおいしくて頼りになる冬野菜だ。

Endives meunières

チコリ菜の芽が土をかぶっていたために真っ白になって生えたのを、食べてみたらおいしかった、というのがアンディーヴの始まりらしいが、このアンディーヴがなかったら冬の食卓がすっかりさびしくなってしまうだろう。安い、ビタミンBやCに富んでいる、保存がきく、下準備が簡単だ、サラダだけでなく蒸し煮にしたりグラタンにしてもうまい、と頼りにできる野菜です。今回は肉料理や魚料理の付け合わせとして季節感を盛り上げてくれるアンディーヴのバター炒めを作ってみよう。

アンディーヴは、あまり大きすぎず、きれいな紡錘形で、しっかり締まったものを1キロ買ってくる。汚れた葉をはがしたら、さっと水洗いしてぬぐい、根元の苦いところを円錐形にくり抜くが、最近は苦みが薄くなったし、歯ごたえのあるところがあっても構わないという人は必要なし。底広の鍋にアンディーヴを並べ、レモン半個分の絞り汁、バター大サジ1杯、塩小サジ1杯を加え、水を1センチほどの高さまで注いで強火にかける。沸騰したら弱火にし、ふたをして30分ほど蒸し煮。落としぶたをするか、そうでなかったら、途中でアンディーヴをひっくり返しましょう。

煮汁の中で冷ましたら (ここまでをあらかじめやっておくとあとが楽)、取り出し、軽く押さえつけるようにして丁寧に水気を切る。フライパンかソトゥーズにバターを大サジ山もり2杯とり、フワーッと泡立ったらアンディーヴを加え、ころがすようにしながら全体にきれいな色がつくまで炒めていく。最後に塩で味を調え、コショウを挽きかけます。

アンディーヴの軽い苦みとバターの香ばしさが溶け合っていくらでも食べられそうだ。豚肉や子牛のロースト、トリや厚切りハムのソテーなどと組み合わせたい。(実)

 

 


 

 

*Ed.Gallimard 320頁 99F

●台所の本

ガリマール社から出ている推理小説シリーズ “Série Noire” の中から、料理や食事のシーンが出てくるところを抜粋し、隣にフランスの名シェフたちによるレシピを掲載、という素敵な本をクリスマスのプレゼントにもらいました。僕も数年前に、ロバート・パーカー作『失投』で、料理好きのスペンサー探偵がクルジェットのテンプラを作っているシーンを引用したことがあったけれど、この本でもさすがにスペンサー探偵の登場回数がいちばん多い。推理小説の一節をかじり読みし、そこに出てくる料理を想像して唾を呑み、名シェフのレシピを頼りに実際に作り、味わえる、といくつもの楽しみ方ができる一冊です。メルシ。(実)

 

 

●アンディーヴのグラタン

左の “Plat du jour” のごとくアンディーヴを蒸し煮してから、今度は熱々のうちに取り出して、軽く押さえるようにして水気を切り、ハムで巻く。これをバターを塗った天火皿にきちっと並べ、やはり熱々のベシャメルソースで覆います。おろしたグリュイエールやコンテチーズをたっぷり振りかけ、オーブンの上火できれいな色がつくまで焼けば、冬の定番料理のひとつ “Endives au jambon” のでき上がり。

 

●アンディーヴのサラダ

アンディーヴはマーシュ菜と並んで冬のサラダの主役です。根元の固いところを円錐形にえぐり取ってからザクザクッと切ってサラダーボールにとり、刻んだパセリやコリアンダーを散らすだけ。ビネグレットソースがいちばんだが、マスタードをきかせるとうまい。固ゆで卵、真っ赤なビーツbetterave、リンゴ、オレンジ、グレープフルーツ、クルミ、さいの目に切ったコンテやボーフォールなどのチーズと彩りよくミックスすれば、夏のニース風サラダにも負けない豪華なサラダになる。

 

●フランス風落としぶた

こちらでは落としぶたのかわりに、硫酸紙papier sulfuriseを鍋の形に合わせて切って料理を覆い、軽めの皿一枚を重しがわりにする。場合によっては、料理に接する側にバターを塗ったりする。

 

 

●papier sulfurisé

硫酸によって防水加工をほどこした紙のことで、ロール状になってどこのスーパーでも売られている。上記のごとく落としブタとして使ったり、バターを塗ってから魚などを置いてハーブを散らし、きっちり閉じてパピヨット料理を作ったり、ジャムのフタにしたり、などと用途が広く、常備しておきたいものだ。


 

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