年忘れに最適の喜劇映画。 “Le fils du francais”

 ファニー・アルダンは大好きな女優、ああいうオンナになれたらなと思う。憧れ!トリュフォーの名作の彼女から、『ペダル・ドゥース』の、ゲイ相手のオトコ勝りの女将まで、様になる女優だ。
 その彼女が、とうとうオバアチャン役 (ちょっとショック…) に挑んだのが、『フランス人の息子/ Le fils du francais』。相手役はジョジアンヌ・バラスコである。この二人が9歳になるバンジャマン少年の対照的な祖母を演じる。
 母を亡くし、父は金鉱探しにブラジルに行ったきりなので、父方の祖母 (アルダン) と母方の祖母 (バラスコ) の間を行き来して暮らすバンジャマン。彼は二人の最高の理解者でもある。実は、彼が一番おとなだったりして…。お育ちの良いアルダンは、声楽を教えて生業としているが、実は生活は楽ではないらしく、家具調度を少しずつ手放している。片やバラスコは、下町のコンシエルジュ。暇を作っては近所の親父達とポーカー賭博に明け暮れる。もちろん日頃は没交渉、お互い相手の存在を認めたくない関係だ。ところが、ブラジルの父からバンジャマンに「来い!」と航空券が送られて来た。祖母たちを放っておけないバンジャマンは、二人を連れて、いざ、ブラジルへ!
 珍道中が繰り広げられるのは当然だ。しかし事態はエスカレートし、アマゾンの密林へ、さらには原住民の集落で囚われの身に、ところが彼らの目的は…と、どんどん奇想天外なアクション・コメディーに進んで行くのだ。
 監督のジェラール・ロージエは、『さよならモンペール』でマリー・ジランをデビューさせた。その後の『Le plus beau metier du monde』はイマイチだったが、確率50%で楽しめる喜劇を撮ってくれる。年末の年忘れに最適。(吉)