(南)が推薦する10月のシャンソン。

★★★★ Arno
 ベルギーを代表するロック歌手のアルノは、ふだんは英語や故郷のフランドル語で歌っているが、ブレルやフェレの作品を取り上げた仏語盤の好アルバム “A la francaise”(スタジオ録音とライブ録音の2枚)をリリースしたごろから仏語圏の若者たちの間で人気が浸透してきた。
 もうもうと立ちこめる煙草のけむりの中、北海の鉛色の世界を引きずりながら素足で歌うガタガタ声の酔いどれブルース。彼しか出せない哀愁を帯びたハーモニカの音色。アングロ・サクソンと仏文化がミックスしたステージで彼独特のカリスマ性が聴衆のハートを虜にします。
新CD “A poil commercial” もリリース。
14日。15日/19h30。165F。Fnacほか
*Bataclan: 50 bd Voltaire 11e
01.4700.3743
★★★★ Gilbert Laffaille
 日本でもソロ・アルバムがリリースされ、またクレモンティーヌらとミニ・ヒットのCDを発表して話題になったジルベール・ラファイユ。日本では、フランスのシックなボサノバ歌手と称され、彼の音楽性が勝手に歪められてしまったけれど、本来彼の歌は政治色の濃い詩や言葉を重んじる正統派シャンソン歌手なのです。新アルバム “La tete ailleurs” は、音楽と彼の詩が見事にマッチしてできすぎな感じもするが、それが彼のスタイル。
14 ~16 日。21~ 23日/ 20h30。
24 日/15h。130F。90F。Fnac/Virgin
*L’Auditorium ST-Germain-des-Pres:
4 rue Febibien 6e 01.4407.3743


 

●土井恵、小林寛ピアノリサイタル
マレ地区にオープンした美しいコンサート・サロンAtrium Musical Magneで、土井恵と小林寛がピアノリサイタル。9日と12日は、土井恵がフィリップ・ラルゲーズと共演して4手のためのピアノ曲を弾く。ラヴェルの「ボレロ」や「ダフニスとクロエ」、ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」ほか。15日は、小林寛がシューマンのト短調のソナタやドビュッシーの前奏曲第1集など。以上はいずれも20h30。17日の16hと20hは、 土井とラルゲーズのピアノ、ポリフォニア室内オーケストラの演奏でショパンの2曲のピアノ協奏曲ほか。150F/160F (Fnacなどで。1席購入するとパリ市からもう1席がプレゼントされる )
*Atrium Musical Magne :
12 rue Charlot 3e M: Arts et Metiers
37 bis Bd de la Chapelle 10e
問い合わせは01.3919.9973
●フランク=ペーター・ツィンマーマン
国際的に大活躍しているヴァイオリン奏者フランク=ペーター・ツィンマーマンとチェロ奏者マリオ・ブルネッロが共演する。プログラムに組まれているラヴェルのヴァイオリンとチェロのためのソナタは、演奏される機会がまれだが、これがラヴェルと驚かされるような、バルトークに通じる現代性を持った傑作だ。ほかに、コダイやマルティヌーの曲などを演奏する。9日/17h 95F
*Theatre de la Ville : 2 place du Chatelet
4e 01.4274.2277
●T・ディアバテとB・シショコ西アフリカ、マリの伝統音楽に欠かせない楽器コラ (竪琴の一種)。その最高の名演としてよく語られるのが、30年前にユネスコ監修のレコードで出たシディキ・ディアバテとジェリマディ・シショコの共演盤。彼らの息子、トゥマニ・ディバテとバラケ・シショコが夏休み前に出したCD “New ancient strings” も、コラが優雅な応答を交わし、知らずと心が晴れていくようなアルバム になっている。そんな彼らの共演は絶対に聴き逃せない。
16日/20h 132F (FNAC)
*Cite de la musique : 221 av. Jean-Jaures 19e M: Porte de Pantin
●10月のジャズ
歌心に溢れたベースを弾くデイヴ・ホランド (14日-New Morning)、さっそうとしたテナーサックスを吹くジョシュア・レッドマン (26日-Bataclan) の公演 に出かければ、心ゆくまでジャズを楽しめることは間違いないが、何が飛び出すかわからないオランダのグループThe Exもお忘れなく。2人のギター奏者の絡みから生まれる、その前衛ロックとも前衛ジャズとも定義できない過激サウンドに酔いしれたい。ハン・ベニンクが共演しないのは残念だが、ゲストに、28日は、ターンテーブルの魔術師エリックM、29日は、クラリネットから信じられないような音色を吹き出すグザヴィエ・シャルル、30日は、NYっ子をビックリさせたばかりのギタリスト、ジャン=フランソワ・ポヴォロス。
いずれも20h30、80F。
*Instants Chavires : 7 rue Richard Lenoir
Montreuil 01.4287.2591 M: Robespierre