●携帯電話から足がつく 5月24日、コルス島の独立過激派に属するアラン・フェランディ、ピエール・アレッサンドリ、ディディエ・マラネッリの3人が、98年2月6日のエリニャック知事暗殺に加わったことを自供。知事に向けて銃を発射したとみられる、元社会党議員の息子イヴァン・コロナは逃亡中。彼らの携帯電話の使用データの調査で、暗殺時間前後に、マラネッリとフェランディが、見張っていた県庁前と犯行現場脇からひんぱんに通話を交わしていたことが決定的な証拠となった。 ●タバコもアルコール飲料も麻薬扱い 5月26日の閣僚会議で、ベルナール・クシュネール厚生相は、タバコやアルコールの中毒者対策も、他の麻薬同様に、Mildt (麻薬および麻薬中毒者対策省間委員会)の管轄に入ると提案、閣議の了承を得た。ワインを麻薬扱いにすることに関して、ワイン製造業者やレストラン業者からの強い反発があったが、アルコール飲料がヘロイン並みに危険で、毎年35,000人が死亡している事実などを挙げて押し切った。 ●ボルドー、トゥールーズ勝つ 5月29日、フランスサッカー選手権の最終日、ジロンダン・ド・ボルドーはパリ・サンジェルマンを3-2で破ってチャンピオンに。同日行われたラグビー選手権の決勝ではトゥールーズがモンフェランを15-11で破った。 ●地下鉄とバスが二日間ストップ 6月1日、地下鉄構内の取り締まりに当たっていた職員が、許可を得ずにアクセサリーを売っていた二人の男から暴行を受け、その後病院で死亡という情報が行き渡り、RATP (パリ市交通公団) 各組合は治安強化を訴えて、2日、抜き打ち的なストに突入。その後の調べで、当職員は暴行を受けておらず動脈瘤破裂で死亡したことがわかったが、翌日もストは継続された。利用者は通勤通学に徒歩数時間。7日午後も葬式のため地下鉄がストップ。 ●グラフとアガシ 全仏テニス、ローランギャロス杯は、6月6日に幕を閉じたが、女子は決勝でシュテフィ・グラフがマルチナ・ヒンギスを破って (4-6、7-5、6-2)、奇跡のカムバック。男子ではやはりベテランのアンドレ・アガシがアンドレイ・メドヴェドフを破って (1-6、2-6、6-4、6-3、6-4) 優勝し、現役選手ではただ一人、全英、全米、全豪、全仏の4大トーナメントを制覇。 ●ジョスパン首相の人気衰えず 6月2日でリオネル・ジョスパン氏が首相になってちょうど2年目。最近の世論調査でも支持率63%という高さで、保守党の苛立ちは増すばかり。リベラシオン紙は「humain, prudent et habile 」と評価。 ●失業率の下降続く 4月は失業者が17,000人減って総数2,848,900人になった。失業率は前月比で0.6%下がり、この一年を総計すると4.9%減。6月13日に欧州議会選挙を控えた社会党にとってはうれしいニュース。 ●狂牛のあとはダイオキシン鶏 5月28日、ベルギー政府は、ベルギーのヴェルケスト社が養鶏業者に売った動物性脂肪が、発ガン性や免疫毒性をもったダイオキシンに汚染されていて、一部の鶏肉から最大許容量の140倍近いダイオキシンが検出されたため、鶏肉、卵、卵を使ったお菓子などの販売を禁止したと発表。6月2日、欧州委員会は、汚染された食品の廃棄を決定。4日、鶏だけでなく豚、牛の飼料としても使われているとし、汚染されたおそれのある牛肉や豚肉、バターなどの乳製品も販売禁止。同日、フランス政府もベルギーからの関連食品の輸入を全面禁止することにした。また、フランスのアリメックス社がその動物性脂肪を輸入していたことがわかり、その脂肪を含む飼料を購入した180近い業者の鶏、豚、牛などの汚染度を調査中。フランスでは鶏肉の消費量が10%以上減り、大手のファーストフード業者、”マクドナルド” や “クイック” も鶏や牛乳を使った商品の販売を一時中止した。 |