1990年の湾岸戦争では、テレビが大活躍、イメージの時代になりました。CNNが流す映像が、各国のテレビニュースのモデルになりました。戦争はテレビのショーになりましたから、映画のような悲劇的性格をなくしました。スペクタクル化したニュースがテレビに登場しました。
だがこの時代は1998年で終わりました。クリントン=ルインスキー事件でインターネット時代が誕生したのです。コンピュータは、ポストCNNをになうメディアです。ホームページがメディアとして大きく注目されたのは、例のクリントン米大統領をめぐるセックススキャンダル報道でした。ご承知の方も多いと思いますが、この特ダネの第一報はホームページでも出され、それを新聞、雑誌、テレビなどのマスメディアが後追いし、全米を揺るがす事件へと発展したのです。いったんホームページで情報が流れると、ホームページというメディアの特性を利用した新しい報道合戦が始まりました。
1999年のコソボ紛争はホームページの戦争でもあります。紛争の実状を伝える映像がほとんどなく、湾岸戦争とは違ってテレビの役割は弱くなりました。だが両サイドがインターネットを利用しています。アルバニア系住民はホームページでユーゴ連邦からの独立を要求し、ミロシェビッチ政権の迫害に関する情報を発表しています。それに対してセルビア人はホームページでNATOの空爆を告発します。
コンピュータやインターネットの時代がやってきたのです。
(クロード)