子羊とヒヨコ豆の煮込みは揚げナスもうまい。 Ragout d’agneau aux pois chiches

 わが家の子供たちは、ポワ・シッシュ(ヒヨコ豆)のファンで、クスクスにもたっぷり加えるし、子羊の煮込みでも、白インゲンのかわりにポワ・シッシュを入れることが多い。
 アラブ系の食料品店や穀物屋でまずpois chichesを買ってくる。僕が通っている朝市のモロッコ人の店では1キロ12フラン。「新しい豆だから、12時間水に漬けるだけでいいですよ」とのこと。日曜日の昼ごはんのご馳走にしたかったので、前の晩から250グラムをたっぷりの水に漬けた。翌日になると豆は倍ほどにふくらんで重さも500グラムをこえていた。
 子羊の肉(頚肉、肩肉、モモ肉など)を800グラム~1キロ、ぶつ切りにする。ココットのような厚鍋に油をとり、肉をきれいな焼き色がつくように強火で炒める。塩、コショウ。2度に分けてやるとうまくいくだろう。鍋を洗って乾かし、オリーブ油を多めに加え、みじんに切った玉ネギ2個を炒める。中火。色がついてきたら肉を戻し、ザルで水気を切ったポワ・シッシュ、輪切りにしたニンジン2本を加える。トマトの缶詰400グラムを加え、ひたひたになるまで水を足す。ローリエの葉2枚を入れ、塩、コショウ。僕は砂糖も少々入れる。沸騰してきたら弱火に落とし、フタをして1時間半ほど煮込む。
 その間にナスの準備。なるべく小さいものを3個買ってきて、縦縞模様に皮をむき四つ割りにする。大ナスならひとつで十分。二つに切ってから八つに割ります。僕は芯のふわふわしたところはとり除く。このナスを、熱めの油できれいな色がつくように揚げ、クッキングペーパーの上にとって、油を切っておく。
 ナスを煮込みに加え、10分たったら、でき上がりです。ポワ・シッシュのデンプンでトロリとおいしいソースを味わうために、まだ温かいバゲットパンを添えたいものだ。このソースをたっぷり吸った揚げナスのうまさ! ポワ・シッシュも水煮した缶詰のものとは違い、適度の歯ごたえがあるのがうれしい。ワインはマグレブ産のロゼがいいだろう。(実)
対決!アスパラガスのラビオリ
●Monoprix VitePret vs Antica Pasteria
 ラビオリの中身はリコッタチーズとハムというのが一番スタンダードだけれど、このごろ店頭のバリエーションがますます増えた気がする。今回はアスパラガス入りラビオリの対決です。
 MonoprixブランドのVitePret(17.90F)は、その名の通り調理時間が短いのが売り。このラビオリは一分間で茹で上がりますが、あらかじめ茹でてあるらしく、しなっとしていて調理前からすでに見た目がまずそう。対してAntica Pasteria (19.30F)の方は茹でても皮にコシがあって艶もいい。見た目同様Monoprixの方はクチャっと歯にくっつくのと、色付けに入っているほうれん草の風味がややきつすぎるので失格。1F強の値段の差なら迷わずAntica Pasteriaに軍配を上げます。ただどちらもアスパラの味があまりしないのが残念。(章)
*値段はいずれもモノプリ調べ。


● ポワ・シッシュ豆辞典

 pois chichesは、スペイン、イタリア、マグレブ三国、インド、南米などで広く栽培されている国際豆。紀元前7000年には食されていたという跡がエロー県の洞窟などで見つかっている。現在では、地中海沿岸諸国や中近東を中心に、毎日の食卓に欠かせない食材だ。
 水煮してからミキサーにかけゴマのペーストと混ぜ合わせたウモスは、レバノン料理などの前菜として名高い。イタリアやギリシアでもスープに入る。ポルトガルやスペインでは干ダラや豚肉、辛いチョリゾソーセージと煮込まれる。マグレブ三国では、子羊と煮込んだり、クスクスにも不可欠だ。日本ではヒヨコ豆という名称を与えられているが、どんな料理があるのだろう? 知っている人は教えてほしい。

 カロリー価が高いのはもちろんだが、蛋白質、カルシウム、鉄分、リンに富み、育ち盛りの子供たちにも向いた食品だ。精力がつくという話もある。
 調理する前に水に浸す必要があるが、以前と比べて流通がよくなりほとんどが新豆なので、12時間くらい。豆は思ったよりふくらむので、3倍くらいの量の水が必要。もどりが早いように、bicarbonate de soude(重曹)少々を入れる人が多い。ウモス、その他の料理で、あらかじめ1時間ちょっと水煮することが多いが、沸騰してから軽く塩を加え、豆を入れる。料理によっては、ニンニク丸ごと、ローリエやソージュの葉、玉ネギに刺した丁字などで香りをつける。