ニースの恋の物語

 パリは部屋代も下手すると東京並みに高くて、ウサギ小屋での生活も避けられないような状況だけれど、地方は物価も安いし暮らしやすそう。今回は、ニースに住む若いカップルのお宅にお邪魔してみた。

サロンでくつろぐクリストフ君。家具は2人のセンスで揃えました。

 昔はパリに住んでいたけれど、もっと暖かいところに移りたいと考えて、故郷の鎌倉と姉妹都市のニースに一年前に引っ越してきた木島知子さん。初めの5カ月間は、あるおばあさんの家の一部屋を間借りしていた。71歳の老女に実の娘のように可愛がられた知子さん。本来食事付きではなかったのに、朝晩の食事をご馳走してもらうようになった。そんなおばあさんの親切に、せめてものお礼と始めた犬の散歩兼パンの買い出し。これが知子さんの朝の日課となった。毎朝おばあさんの指定するパン屋に通うようになった知子さんに、パン屋で働くクリストフ君が一目惚れ。自慢の娘(?)を見初められたと大喜びでキューピットの役目をかってでたおばあさんのおかげで、めでたく二人は付き合うようになったのはいいけれど、クリストフ君に運命を感じた知子さんは彼と一緒に暮らすことに決めてしまう。おばあさんにとってこれは予想外の展開で、かわいい娘を盗られてしまい、クリストフ君は敵視されるあり様。
 こんな映画のストーリーのような出会いをしたクリストフ君と知子さんが98年の5月から一緒に住み始めたアパートは、ニースの目抜き通りAv. de Jean Medecinから一歩入った便利な所にある。クリストフ君の友人から借りているから、部屋代は引っ越し祝いとして2カ月間タダにしてもらったうえに、家賃も80m2近いアパートで4000Fと安くしてもらった。何も家具が付いていなかったから、無料新聞の個人広告を見て電気製品を揃えたり、エマウスで中古を買ったりした。友人たちからお下がりのベッドをもらったり、引っ越し祝いにクリストフ君の祖母からソファーを買ってもらったりして少しずつ住みやすくなってきた。
 今でもクリストフ君と知子さんの元大家さんは仲直りしていないけれど、二人が知り合えたのもやっぱりおばあちゃんのおかげなんだ。

(章)

Chez Maitre Pierre—
知子さんとクリストフ君の出会いの場。



 
ニースに観光に来たなら一回は必ず通る遊歩道街に、知子さんが半年近く毎朝通いつめたパン屋さんがある。お土産屋に挟まれて目立たないけれど、地元の人も
買いに来る人気のパン屋だ。40年前にクリストフ君のお父さんが始めた店で、現在はクリストフ君が弟と一緒に後を継いでいる。いわゆる若旦那だ。普通のパ
ンも美味しいけれど、クリストフ君の自慢は甘すぎないクリームが入ったケーキ類。これを買って100m先のPromenade des
Anglaisにあるベンチに座って、海を眺めながらムシャムシャやったら最高に気分がいいオヤツの時間が過せた。
*Chez maitre Pierre :
41. rue Massena 06000 Nice
04. 9387. 3267



 

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