OVNI 428 : 1998/12/15 N° 428 1998-12-15 ●シドニーさんの死に不審点 11月6日ノール県のトゥルクワン市で、ザイール出身のシドニー・マノカ・ンゼザさん(25)は、ローラーブレードで滑っていて車のバックミラーに触れ、運転手と口論。駆けつけてきた警官6人と2キロにわたった追跡劇の後、地面に押しつけられて手錠をかけられ、意識不明に陥る。警官は救急車に連絡せず警察署に直接連行。ンゼザさんはすでに窒息死していた。プロのボクサーを目指し人並み以上の体力を持っていたンゼザさんの死に不審な点が多く、24日、過失致死などの疑いで警官6人を事情聴取。 ●ノエルも近いのに子供たちに悲劇 11月28日、ストラスブールの中学生ハキム君(11)は、4階の階段から身をのり出したところ、通学カバンの5.2キロの重さに引きずられて転落死。12月5日、メーヌ・エ・ロワール県にある動物園で、ジャガー2頭が檻から脱出し、5歳の幼児に襲いかかる。幼児は死亡、ジャガーを追い払おうとした父親は重傷。 ●RMI(社会復帰のための最低収入)10年目 12月1日、失業中で他の収入源もない人を対象にしたRMI(社会復帰のための最低収入)がちょうど10歳になった。今まで給付に与った340万人のうち230万人が社会復帰を果たしたが、現在なお109万人がこのRMIを唯一の収入としている。平均額は1950Fで、1998年度は国と地方の予算から260億Fがさかれている。年々、若年化の傾向が著しく、30%が30歳以下。また、新しく給付を受ける人の25%はバカロレア資格以上の学歴を持っている。 ●ブタンさん国民議会で涙 12月2日、国民議会でジョスパン首相は、PACS(連帯民事契約)法案反対運動のリーダー、クリスチーヌ・ブタン国民議会議員を「この問題の的をつかんでいず(…)発言が過激である」と批判。ブタンさんが泣き出したため、議会は大混乱。PACS法案は、8日、国民議会で可決された。 ●彫刻界のシーザー死す 12月6日、車、時計、段ボール箱などを圧縮した彫刻でファンが多かったセザールさんが亡くなった。77歳。フランスのアカデミー賞に当たるセザール賞のトロフィーも彼の作品 だ。 ●国民戦線党FN分裂直前 来年の欧州議会選挙のリーダー争いで表面化していたジャン=マリ・ルペン党首とナンバー2のブルーノ・メグレ氏の対立が、予定されている候補者リストの上部をルペン派の党員だけが占めていることや、メグレ派の党員が”経済的理由”で党委員会から外されたことなどで火がつき、12月5日、主要な党員300人が集まった全国評議会では二派の間で罵倒が交わされた。9日、ルペン党首は、緊急に臨時党大会を開くことを要求したメグレ氏を即座に党代表から除名し、党結成以来最大の危機。 ●リシャール・ヴィランク引退 医療スタッフや他の選手の証言にもかかわらず、ドーピングの事実を否定していたフェスティナ・チーム(ドーピング違反で今年のトゥール・ド・フランスから追放された)の元リーダー、リシャール・ヴィランクさんが、12月6日に引退声明。 ●養老院で火事、9人死亡 12月7日午前4時ごろ、パリ郊外のリヴリー・ガルガン市にある養老院から出火。身動きの不自由な老人が多く救出に時間をとり、9人が死亡、10人が重傷を負った。ちょうど一週間前に県の保安課がこの施設を検査していて「安全性に大きな問題があり、現在の状態のままでは閉鎖が好ましい」という結論を出していた。 ●ミヨンさん失脚 今年3月の地方圏会議長選挙で、FN党の票を得て当選したシャルル・ミヨン氏は、その後UDF(仏民主主義連合)から除名され、”la Droite”という党を結成し、極右までをカバーできる保守政党を目指していた。12月9日、国務院は、3月の選挙の際、決選投票の直前にミヨン氏がFN党と政策協定を結んだのは選挙違反という裁断を下し、1カ月以内に再選挙が行われることになった。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 11月21日の国鉄スト情報。 中学校教員殺害事件の公判が始まる。 前代未聞の〈マザン事件〉裁判始まる。 トラン・トゥ・ニャーさんの闘い − フランスで枯葉剤訴訟。 人気コメディアンの解雇と、揺れるメディアの自由。 広島・長崎の原爆語り継ぐ4日間、トゥールで開催。