古今東西腹巻くらべ。




作業用のフランネル腹巻。
“Costumes des Terroirs de France”
Ed. Le Vieil Annecy

 寒くなって腹巻のことが気になり、BHVの下着売り場に行ってみた。フランスでは「腹巻は薬局かダマール」と相場が決まっているらしい。薬局には巻くものではなく毛糸の腹巻式、サポーター風のものばかり。暖かさ追求派にはアンゴラ製がある。一方、ダイアナ妃が86年に来日したときに有名にした、暖か下着「ダマール」。冬の到来で店内はすごい人だ。腹巻はカタログ販売のみで、サポーター風のものしかない。



ダマール社の腹巻。

「フランネルの腹巻」といえば一昔前までお百姓さん、漁師さん等が汗の吸収、保温、腰の保護のために巻いていたもの。寒い地方では寝る時にもつけていたとか。地方によって形状、巻き方、呼び方に違いはあるが、およそ長さ1.5m、幅20cm程で生成り、グレー、黒、青、赤などのフランネルをシャツの上から巻く姿は各地で見られた。それなのに今の「巻く」腹巻の不人気はどうしたことか。日本でも大正時代に現れた毛糸製の腹巻に押され気味とはいえ、伝統的5.5m (半反) のさらし木綿は健在ではないか。博物館にも陳列されず、写真の中だけの存在か、と落胆していたら蚤の市で軍隊の腹巻に出会った。フランネル製、紺か茶色、長さ4mで90F!これなら厳寒もいけそうだ。

防寒兼オシャレな腹巻。

蚤の市で見つけた腹巻。

第一次、第二次大戦の時に使われていたという (商品は新品)。存命の危ぶまれる男性の伝統腹巻に対し、ここ十年来新しい発展を見せているのがマタニティー用品店で売っている色とりどりの腹巻だ。綿やウール、伸縮性のある黒レース、ラメ入りなど実用性よりおしゃれ性が高い。友人のアビは妊娠3カ月目、初産だ。寒くなったので布を巻いている。ナジャは妊娠5カ月目、「一人目の時はつけていたけれど、二人目は『妊娠してる』ことを周囲に見せる必要がなくなって」腹巻はタンスの奥にしまわれたまま。洋服の上からつけるバンドが現れるまで、妊婦さんたちは余裕のある妊婦ドレスの下にコルセット状のベルトをしていたそうだ。イヌのお産が軽いのにあやかって妊娠5カ月目の戌の日につける日本の岩田帯(はらおび)もこれからの変身・発展が楽しみだ。

(美)

 


 

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