バカンスは タヒチの海で タトゥー男と泳ぎたい。

 


 入れ墨をしている人をよく見かけるような気がします。数年前にモデルの丸坊主の女の子が頭に入れ墨を入れていてびっくりしたことがありますが、今では一般に浸透しているようです。
 ピガールにあるブルノー親方の店を訪ねてみました。入れ墨といえばブルノー親方、というくらいこの世界で有名な彼は、1966年に店を設立、「入れ墨の不思議な世界」という本も著している。親方が接客中の間、一番弟子さんは私の質問に「流行?関係ないですねぇ。入れ墨をやる人はもっと個人的な動機でここに来ますから。図案としては「部族もの」を近頃よく頼まれます」。「部族もの」とはたとえばタヒチの入れ墨に使われるような宗教的な意味を持つ象形文字を、意味とは関係なくデザインしたもの。これは最近発売された写真集「タヒチ・タトゥー」の影響!?私はその本で、たくましい体にあしらわれたタトゥーに酔ったのだった。大振りの模様の入れ墨が入った肌にふんどしで海中を泳ぐ男は美しくておとぎ話のよう。入れ墨 tatoo の語もタヒチの言葉「地上にある全てのものの霊(アトゥア)」の「絵(タ)」が語源だ。
 入れ墨をする動機は様々。1920年ころまでは、パン屋、帽子屋、音楽家などがそれぞれの職業のシンボルマークを彫るという習慣もあったし、病気や悪霊に対するおまじないは今日でもある。「お尻に彫って色っぽく見せたい」という人も多いようだ。出征前に血液型を入れ墨で記すような実用的なものもあるが、強制労働、強制収容を強いる側が人を統括するために烙印を押したり入れ墨するというケースはあってほしくないものだ。
 サン・ジェルマンで出会ったミミさんは、小さな模様の入れ墨をたくさん入れている。ふつう顔・手・首部分が拒否されるのは、本人の同意で施術した場合でも、あとで訴訟を起こされたりするからだ。彼女は物乞いを生業としている。入れ墨がなかった9年前は一日100フランも稼げなかったけれど、今では200フラン稼げる。「これも入れ墨のおかげ。この仕事、外見で印象付けないと」。アルジェリア系だというので、あちらの習慣と関係あるのかと思ったら「関係ないわ。私にとって入れ墨は劣等感をぬぐい取る手段だったの。そして運を開いてくれたわ」と、気前よく背中もペロリ。「悪魔、きちんと写った?私の水着写真撮らせてあげてもいいわよ、高いけどね。」

(美)

 


 

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