ふくよかなお母さんの背中は気持ちよさそう。アフリカ系の女性が布に子供をくるんで背負う姿をよく見かけます。きょうはこの「おんぶ布」の正体をつきとめにバルベスへ。 ところが「おんぶ布」というのは存在しなかった。適当な布を適当な大きさの四角に切るだけの、まつり縫いも省いた風呂敷。実際、子どもだけでなく荷物も包んだりするとか。 パーニュというと一般的にはアジアやアフリカのラップスカートみたいな腰巻のことですが、写真の女性たちは、このおんぶの仕方も「パーニュ」と呼んでいます。子供を前に抱える「カンガルー」は、フランス式を雑誌「クロワッサン」が日本で流行らせたものですが、パーニュ派は「カンガルーだと子供が大きくなると大変。パーニュなら6歳くらいまで背負えるのよ」と言います。ある女性は自分が6歳の時からパーニュで幼い妹、弟のお守りをするようになったと言っていました。実演してもらうと、その素早いこと。ムダのない動作は芸術的。乳母車のアフリカ女性は「パーニュはアフリカでの習慣よ、フランスでは家の中でしかやらないわ」といい、セネガル出身の青年は「パーニュの布には霊がこもっていると考えられていて、大切にされています」と言っていた。 パーニュの布を買うなら Chateau-Rouge 界隈の「WAX HOLLANDAIS」と看板のある店へ。模様と色の美しい「アフリカの布」はほとんどどがオランダ製。女性たちがじっくり布に見入る姿は日本の呉服屋さんに似ている。大体の布が6ヤールでの切り売り(290F)、2ヤールは1.80m×1.20m、これが1パーニュ。布の尺度としても使われています。 (美) |
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