★★★★ DICK ANNEGARN オランダ出身のディック・アンヌガルンは、ダダやシュールレアリスムを感じさせるような歌で人気がある。このブルー・ボーイによるスケールの大きなステージは、足長で長身という外見も手伝って、彼ならではの特異な歌い方で、観客を骨の髄まで思う存分トリップさせます。 26日~28日/20h30、132F (FNAC他) *Bataclan : 50 Bd Voltaire 11e 01.4700.3012 ★★★ CASSE PIPE 名前がユニークなカス・ピップ。現実派のシャンソンが得意な彼らのステージは、荒削りな歌でいながらどこかおかまっぽい。20~30年代のモダニズムの中心、ベルリンのキャバレーの匂いが漂い、映画「喧嘩」に見るジュネの世界も感じられる。 ジュネのほか、最近ではモディアーノ、ファスビンダーなどのテキストにまで挑む文化的な若者たちだ。 4日~28日(火~土曜) /20h、90F。*Sentier des Halles : 50 rue d’Aboukir 2e 01.4236.3727 ★★★ LAURENT VIEL 昨年はアラゴンで、今年はブレヒトの生誕百年目。彼に関するTV番組や芝居などの催しがいっぱいだ。新人ローラン・ヴィエルによる歌と芝居のブレヒト集にも期待したい。 3月2日迄 (火~土/20h30、日/16h) 100F/70F。 *Theatre Espace Acteur : 14 bis rue Sainte – Saure 18e 01.4472.0195 |
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◆お昼の音楽会 シャトレ劇場の Midis Musicaux と題された一連のコンサートは、手軽な料金でクラシック音楽に親しめるすぐれた企画だ。4日は、ジォヴァンニ・デ・アンジェッリのオーボエ、セルジオ・アッゾリーニのファゴットなどの演奏で、ヘンデル、バッハ、ヴィヴァルディなどのトリオ・ソナタ。6日は、グリーグ・トリオの演奏で、シューベルトとショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第1番。9日は、アンナ・マリア・ヴェラのピアノで、ベートーヴェンの「6つのバガテル」他。13日は、戸田弥生のヴァイオリンとウォルフガング・マンツのピアノで、ベートーヴェンとフランクのヴァイオリン・ソナタ。 いずれも12h45開演、50F。 *TMP-Chatelet: 1 place du Chatelet 1er 01.4028.2840 ◆ I am her mouth 「私は彼女の口」という何とも精神分裂症的なタイトルを持つソプラノのソロのためのミニオペラです。オランダの新進作曲家ヤン・ヴァン・ド・プットの作品。5日 / 20h、20F。 席が限られているので予約要。 *Institut Neerlandais : 121 rue de Lille 7e 01.5359.1240
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◆ RACHID TAHA / DIWAN (BARCLAY) ラシッド・タハは、アルジェリアのオランで生まれ、家族とともに10才の時にフランスに移住。ロックグループ Carte de s史our の歌手として活躍したあと、トレネの名曲 “Douce France” を、パスクワ移民法への批判をこめて歌って人気が出た。 懐かしのアラブ演歌集ともいえる彼の最新CDは、現在レバノンで大ヒット中の ya rayah (祖国を去る者)で始まる。哀愁がこもったウッドのソロのあとに、街の賑わいを伝えるような打楽器が入り、タハが歌い出す。派手な輝きはないが、ジワジワッと効いてくるボーカルだ。作曲はアルジェリアの名歌手アブデラマン・アムラニ。エル・アトラッシュやエル・アンカのヒット曲も、変にアレンジせず真剣に歌っている。傑作はサハラの南地方の独特なリズムが躍動する Bent Sahra。バックの演奏にも熱が入っている。 (真) |