DAUBE DE BOEUF 牛肉の白ワイン煮 N° 410 1998-02-15 「ドーブ・ド・ブッフは、前日から肉を漬けたり、子牛の足が入ったりで大変」という人にも試してもらいたい。Patricia Wells /Ma cuisine en Provence に出ていたレシピを参考にしました。 牛肉は gite や paleron を1キロ買ってくる。これで4、5人分の量。 大きめの角切りにする。ココットのような大きな厚鍋にオリーブ油を大サジ4杯とり、熱くなったら肉を2度に分けて炒める。中火。軽く焼き色がついたら、塩、コショウして取り出す。 その鍋にボルドーやロワール産の辛口の白ワインをひと瓶注ぎます。あったらコニャックも少々加えたい。底にこびりついている肉のうまみを、木のヘラを使ってワインに溶け込ませるようにする。5分ほどグツグツと沸騰させたら、粒々のないディジョン産のマスタードを大サジ2杯加え、泡立て器を使って混ぜ合わせる。肉を戻し、みじん切りにした玉ネギ3個、缶詰のトマトの丸煮 tomates pelées au naturel を汁ごと500グラム、皮をむいて2つ割りにしたニンニク3片、ブーケ・ガルニ (パセリ、タイム、ローリエ) を加える。 あとは鍋にフタをして、再び沸騰したら弱火にして2時間煮込みます。 ここで1センチほどの厚さの輪切りにしたニンジンを500グラム加えて、もう1時間も煮込めば、肉もすっかり柔らかくなるでしょう。ワインのうま味、ニンジンや玉ネギの甘味、ハーブの香り、それらがひとつになったおいしさはドーブならでは。そして、マスタードが味に奥行きを出している。前日作っておいて冷蔵庫に保存し、食べる前に表面で固まった余分な脂をのぞいて温め直せばベストです。 付け合わせは、ゆでジャガとか、バターライスとか、コキエットのようなパスタがいい。 (実) きょうの買いもの ムール貝のおいしい季節。魚屋には数種類のムール貝が並んでいる。 ● moules de bouchot ノルマンディー、ブルターニュ、大西洋岸で養殖されている小粒のムール貝。殻が青みがかり、一様に木のヒゲをくわえている。このヒゲを引き抜いてから洗います。味ならこのムール貝、という人が多い。セロリ、パセリ、エシャロットなどを加えて白ワイン煮 à la mariniere です。 ● moules de Hollande このオランダ産のムール貝は、前述のものより大きめで、ヒゲをくわえておらずキレイです。味は淡泊なので、白ワイン煮のときはバターや生クリームをたっぷりと加えたい。さっとゆでて殻からはずし、フライにするとうまい。 ● moules d’Espagne 一番大きなムール貝はスペイン産。生で食べます。 パセリ、ニンニク入りバターやベシャメルソースをかけてオーブンで焼くのもうまい。 対決!オリーブ油 ● LEADER PRICE vs A L’OLIVIER 我が家はオリーブ油の消費量がかなり多いので、最近はリーダー・プライスの安い瓶(75cl/16F95)を愛用。料理に惜しげもなく使えて、値段の割には香りも悪くないし、ちゃんとエキストラヴァージンオイルです。一方、リヴォリ通りの老舗ア・ロリヴィエのオリーブ油は、50cl/39FとL・プライスの約4倍の値段。2つを比べてみると、味と香りには値段ほどの差はないけれど、いちばん違うのは舌ざわり。ねっとりと重いL・プライスに対し、ア・ロリヴィエはサラサラと軽やかで口に残らない。だからサラダやアンティパストなど、生で使うにはア・ロリヴィエの方がもちろんおいしい。ただオリーブ油の香りは高熱を加えると飛んでしまうので、ラタトゥイユなど煮込む料理には安いL・プライスでじゅうぶん。目的によって使い分けましょう。 Share on : Recommandé:おすすめ記事 はじめてみよう、フランス料理!㉗ 効率よい手順を考えよう。 ハンガリーでの思い出は、パプリカの香り、グーラッシュ。 〈連載:ふつわ〉七面鳥の胸肉でつくね Navarin d’agneau : 子羊の首肉は、たっぷりの野菜と煮込むと真価を発揮する。 〈連載:ふつわ〉鴨砂ぎもの脂漬けで二品 〈連載:ふつわ〉つくりおきもできる、豚の角煮。