Cabillaud à la fondue de poireaux
大西洋北部や北海でとれる真ダラcabillaudがおいしい季節。魚屋には、頭をとられた大きな真ダラ一尾が、輪切り用にど~んと置いてある。やや厚めに一切れ200グラムくらいになるように切ってもらい、四切れ買ってくる。これに、やはり今が旬で甘みが増している長ネギをとり合わせてみよう。
まず長ネギの準備。白いところと薄い緑色のところだけを使います。5センチの長さに切ってからせん切り、あるいは1センチほどの厚さに小口切りにする。フライパンやソトゥーズにバター少々をとってごく弱火にかけ、長ネギを加え、軽く塩、コショウし、ふたをする。色がつかないように10分ほど火を通すのだが、ときどきふたをとってへらで混ぜ合わせる。長ネギが柔らかくなっているだろう。ここで液状生クリームを注いで混ぜ合わせ、生クリームを煮詰めるようにしながらもう8分から10分火を通し、必要なら塩、コショウで味を調える。 盛りつける各人の皿を、60℃の目盛りに合わせたオーブンに入れて熱くしておく。
真ダラの輪切りの水気をキッチンペーパーでふきとり、塩、コショウ。ぼくはコショウは多めにひきかけることにしている。フライパンに油をとって中火にかける。油が熱くなったら真ダラを重ならないように入れる。ひっくり返す必要はないが、5分たったらふたをし、魚の輪切りの厚さ次第で、もう3分から5分、焼きすぎは禁物だ。ナイフを入れると身がほろりとくずれ、芯がまだ半透明という焼き加減を目指す。
熱くなっている皿にクリーム煮した長ネギを敷き、真ダラをそっとのせ、パセリのみじん切りを散らし、レモンを添え、食卓へ。シンプルなだけに本来の味わいが生きている真ダラ、柔らかな風味の長ネギ、冬ならではの魚料理の逸品です。ワインは少々辛口の白、ムスカデにしたい。(真)
4人分:真ダラの輪切り4枚、長ネギ3、4本、液状生クリーム250cc、パセリ適量、バター、油、塩、コショウ
Darne
真ダラ、サケ、ポラックlieu、ヨーロッパアナゴcongreなどの大きな魚は、頭をとっただけの姿で丸ごと置いてある。これを輪切りにしたものをdarneという。人数分だけ輪切りにしてもらうのだが、うろこやはらわたをとったりの面倒な手間がかからないし、少人数の家庭には使いやすい。オーブンで焼きたいときは、1人あたり200グラムほどの大きさに筒切りにしてもらうといいだろう。厚い切り身はpavé (真ダラの場合はdos de cabillaudともいう)、おろし身はfiletという名称で並んでいる。いずれも魚が身近になる便利な食材だ。
Cabillaud à la sauce verte
真ダラの輪切りを使ってもう一品。オーブン皿にオリーブ油を刷毛でぬり、両面に塩、コショウした魚の輪切り4枚を並べ、200度で熱くなっているオーブンに入れ、10分焼く。鍋にオリーブ油を大さじ2杯とり、みじんに切った玉ネギ1個分とセロリの茎1本分を入れ、弱火で5分炒める。塩、コショウ。そこへ、セロリの柔らかい葉とパセリ適量をみじんに切ったものを入れ、レモン一個分のしぼり汁を加える。焼き上がった魚を各人の皿にとり、緑がかったソースをかければでき上がり。もちろん、ほかの白身魚の輪切りを使ってもいい。
Fondue de légumes
フォンデュというと、熱々の溶けたチーズにパンをひたして絡めるフォンデュ・サヴォワイヤルドが名高いが、長ネギ、玉ネギ、アンディーヴ、ホウレンソウなど水分の多い野菜に使われる調理法でもある。鍋にバターや油をとってから野菜を入れ、ふたをしてごく弱火で、ときには生クリームも加え、野菜がすっかり煮くずれるまで蒸し煮する。 玉ネギのフォンデュはフォアグラのソテーに添えられるし、そば粉のクレープによく合う。アンディーヴのフォンデュは子牛料理などの付け合わせに。ホウレンソウはホタテ貝のソテーに。