パリ市は五輪に際し、環状道路に相乗り車covoiturageのためのレーンを設ける。これは市の環境政策「2026-30 気候プラン」にもとづくもので、大気汚染、騒音、ガソリン使用を減らし、渋滞緩和を目的とした措置だ。
レーンを走行できるのは2人以上が乗る相乗り車、タクシー、VTC、公共交通、警察、救急車、障害者駐車カード所有の車両のみだが、月から金曜、7h-10h30と16h-20hに限定するもの。また市は、今年9月14日からすべての環状道路の制限速度を50km/hに落とす計画も発表したが、与党から反対意見が出ており実現できるかは不明だ。
パリ市は2月に市民投票を行い、今秋からSUV(スポーツ用多目的車)の駐車料金を3倍に上げることを決めたが、このレーン設置も昨年4月から5月にかけて行った投票結果を受けている。フランスでの大気汚染による死亡者が年に4万人という数字からも、五輪のための交通インフラ整備が間に合っていない現状からも、反対派は多くても、このくらい大胆な改革に踏み切らないと犠牲者は増えるばかりだろう。