Collection de l’Art Brut Lausanne
ローザンヌ・アール・ブリュット美術館
1971年、ジャン・デュビュッフェは133人・約5千点のコレクションをローザンヌ市に寄贈。このコレクションが核となり、76年2月に4階のフロアを持つ18世紀の貴族の邸宅ボーリュウ館が、アール・ブリュット専門の世界初の公的美術館「アール・ブリュット・コレクション」として正式オープンした。代表的な所蔵作家はアロイーズ、アドルフ・ヴェルフリ、ヘンリー・ダーガー、マッジ・ギル、カルロなど。同館はコレクションの保存と蒐集に尽力。デュビュッフェの初期のコレクションに出会える常設展があるほか、これまで約100回の企画展を実施。今やコレクションは日本人作家を含む千人・7万点以上を数え、世界に誇るアール・ブリュットの殿堂となった。封筒に細工を施し手紙を送る「アール・ポスタル」の展示も楽しい。多くのクリエイターが工夫した手紙をデュビュッフェに送っており、個性豊かな封筒が展示されている。
アール・ブリュットの提唱者
ジャン・デュビュッフェ
1901年、仏北部ル・アーヴルの裕福なワイン商の家に生まれる。10代で美術学校の門を叩くも肌に合わず退学。絵は描き続けながら兵役、家業などを経て、42年から芸術活動に専念する。44年にパリで初個展。厚塗りの絵画は賛否両論を呼んだ。西洋中心主義的な価値観に異議を唱え、45年にはスイスやフランスで既存の文化や美術教育と距離を置く人々の作品の探求を始めたが、この時初めて「アール・ブリュット」という言葉を使った。以後、仲間の協力を得てアール・ブリュットの作品を蒐集し、振興協会も設立。本人もアンフォルメル運動の画家として頭角を現し、アメリカでも高い評価を得る。60年代には積極的に彫刻に着手。1985年没。
日本のアール・ブリュット、もう一つの眼差し展
ローザンヌ・アール・ブリュット美術館で4月28日(日)まで開催
08年に同館で開催した展覧会の続編。日本全国計24人の作家の作品を紹介。小林一緒による食事のイラスト帳や、ミルカの 「音符と鳥」の絵など。
■ ローザンヌ・アール・ブリュット美術館への行き方
【交通】パリ・リヨン駅からスイス・ローザンヌ駅まで列車で約3時間40分。
ローザンヌ駅から徒歩20分またはバス2・3・21番線でBeaulieu-Jomini駅下車。
www.lausanne-tourisme.ch
11 av. des Bergières CH – 1004 Lausanne
www.artbrut.ch
火~日 11h-18h (7,8月は月曜も開館)
4月29日から9月18日までは改装工事で休館。
大人10スイスフラン/学生 5スイスフラン /毎月第一土曜と16歳未満は無料