Q:ちなみに先ほどいただいた「イワシのサラダ」にはわさびが入っていましたか?
松根:あれにはホースラディッシュ、が入っていました。15区の時から、できる範囲のことをやっていこう、ということコロッケやグラタンを付け合わせに入れたりしてきました。しかも子供が小さかったので、成長した時の「おふくろの味」というものがあれば嬉しいとも思っていました。 今でもやっていることは変わらないです。けれども13区の店の時に、たい焼き機を友達に日本から持ってきてもらいました。それは高校生の時に自分で色々工夫をしてたい焼きを作っていた、そのつながりなのかな。基本的にはずーっとしていることは変わっていません。だからバザーなどがあればたい焼きを必ず持っていくし、その頃からたい焼きとかコロッケなど、日本にはあってこっちにはないコンビニで売られているアイテム、安くて小腹が空いた時に食べられるものがあるお店がいいな、という気持ちを漠然と持っていたので、カフェでなくてもそういうことができれば、という思いでしたよね。だからこそうちの店があるので、ここで何かしてみよう、という気持ちですね。また2011年の震災以降は、例えばすぐ近くにある天理さんで私ができることがあれば、ということでたい焼きと大福を持って行きました。こういうボランティアな活動は、続けることが大切だと思っているので、未だにそういう集まりがあれば続けてできる範囲で参加しています。
Q:コロッケはいくつぐらい毎回作るんですか?
松根:水曜日から土曜日の間に、2-3種類を、そして煮物をお客さんの多い土曜日には10種類ぐらい用意します。SMSを常連さんに送るのと、天理さんに張り紙をしてあるのと、そういう口コミの情報を見てみなさんいらっしゃいます。最近はアメリカンドッグなんかも作っています。「食べたことない」という人もいたりして、子供たちも週に一度と楽しみにしてくれたり。和菓子はたい焼きというよりも大福かな、今は。
Q:このお店のお昼と夜のサービスをこなしながら、そんなにたくさんのものを作っているんですね!
松根:そうです。去年一年本当に暇になってしまったので、少しでもできれば、ということで始めたらそっちが結構忙しくなってしまいました。夜中にコロッケの衣をつけたりしながら「私は何をやってるんだろう?」と自問したりもしましたね。でも自分から「やる」と決めたので、とにかく続けないと、と。そうしたらこの春ぐらいに夫が「いい加減手伝いを雇え!」と言ってくれました(笑)。口コミで勤め帰りの人が買ってくれるように少しずつなっていますけれども、こんな場所で日本人が料理をしているということを知っている人もまだ少なくて。
Q:確かにお店の名前L’Auberge Caféから日本をイメージするのは難しいかもしれないです(笑)。
松根:オーヴェルニュAuvergneだったらわかるんだけれど、どうしてこの名前にしたんだろう?と私も不思議です。
Q:私も家に帰るためのバス停に近いので、結構通っているはずなのに、先日友人から誘われてお店へ伺う前までは晶子さんがお料理をしていらっしゃるとは知りませんでした。
松根:こうして毎日働いていると自由になる時間もないので、なかなか宣伝とかコミュニティーに入って活動するというようなこともできず、しかも3年前からは夜のサービスもこなすようになったので、なかなか時間ができません。けれども、だったらここで人を招んだりすればいいんじゃないの、という考え方にもなってきて、おつまみ、タパスメニューを作ったり、上階のスペースを使ってバイキングみたいなことをしてもいいのかな、というようなアイデアも今あります。とにかく人に集まってもらえる、というのが嬉しいですね。身近なもの、普段のものというのが私は一番好きなので、高いお金を出さなくても安くて美味しいものを出していきたいな、と思っています。ただ仕事なので、気を抜くと美味しくなくなったりもしますので、そこは気をつけなきゃならない。
L’Auberge Café
Adresse : 4 rue Bertin Poirée, 75001 ParisTEL : 01.4329.0122
月夜と日休