大改造が続くパリ。
パリは今、今世紀最大の都市再生に挑む。百貨店サマリテーヌの再生計画(SANAA)や、レアールのピノー財団美術館(安藤忠雄氏)の完成が待たれるが、国主導の《新グラン・パリ計画》も着々と進められている。
パリを世界的に競争力ある都市にするためのこの首都圏拡大計画は、郊外に72の駅を設け、都市を結ぶ「グラン・パリ・エクスプレス交通網」を敷き、芸術、教育・研究、経済などの拠点「産業クラスター」を置く。パリからル・アーヴルまでのセーヌ川流域も開発して首都圏領域とし、現在人口200万人の都市パリを700万人規模の大都市にする計画だ。
この大交通網のハブ・ステーションとなるサンドニ・プレイエル駅を隈研吾氏が、南郊サクレーの理工系研究機関を藤本壮介氏(4頁)が設計する。
パリ市も《Réinventer Paris》と称する、市内23カ所の再開発コンペを行った。築150年の廃駅を、食がテーマの施設にする田根剛氏の案と、前出藤本氏のポルト・マイヨーの環状道路周辺の再開発案(4頁)が採用されている。
官主導の都市開発と新しい建築への支援、市民の建築への理解、フランスの他文化を積極的に取り入れる姿勢などが世界の建築家を惹きつけるパリ市は、先月も地下40カ所の再開発コンペを発表したばかり。このような建築文化を基盤に、今、日本の建築家のプロジェクトが12件ほど進められている。
▼日本とフランス 建築交流、いくつかの出来事。
1867 パリ万博で日本家屋展示 1897 ラ・パゴッド(A・マルセル) 1928 前川國男がル・コルビュジエ事務所に入所。31年に坂倉準三が入所。 1937 パリ万博日本館(坂倉準三) 1951 神奈川県立近代美術館(坂倉準三) 1959 国立西洋美術館 (ル·コルビュジエ実施設計:阪倉・前川・吉阪) 1964 代々木競技場(丹下健三) 1969 第6回パリ・ビエンナーレ 1969 パリ日本大使公邸(坂倉準三) 1970 大阪万博 1971 ポンピドゥ建築競技に日本から28案 1978 パリ装飾美術館で磯崎新 「間」展 1993 ポンピドゥにて安藤忠雄展 1997 ポンピドゥで黒川紀章展 2006 オルレアンで日本現代建築展「ArchiLab」 2010 坂茂、ポンピドゥ・メッス 2011-15 Kenchiku/Architecture 日仏若手12組の展覧会や討論会 2012 ルーヴル・ランス別館(SANAA) 2015 パリで「日本、家の列島」展 |
Pavillon de l’Arsenal
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